ASUSのコンパクトなハイエンドスマホ「Zenfone 10」のレビューです。片手に収まるサイズ感に、防水防塵・おサイフケータイにしっかり対応。
※ASUSよりレビュー用のサンプル機をお借りして執筆しています。記事内にはアフェリエイトリンクも含みます。
スペック
プラットフォーム | Android™ 13 (ZenUI) |
プロセッサー | Qualcomm® Snapdragon™ 8 Gen 2 (オクタコア CPU) |
RAM+ROM | 8GB+128GB 8GB+256GB 16GB+512GB |
表示機能 | 5.9型ワイド AMOLEDディスプレイ Corning® Gorilla® Glass Victus 2,400×1,080ドット (フルHD+) (144Hz) Adreno 740 |
サウンド機能 | Hi-Res Hi-Res Wireless Dirac HD Sound Dirac Virtuo™ デュアルスピーカー内蔵 デュアルマイク内蔵 |
アウトカメラ | 5,000万画素 広角カメラ 1,300万画素 超広角カメラ内蔵 LEDフラッシュ |
インカメラ | 3,200万画素 広角カメラ |
センサー | GPS(GLONASS、BeiDou、Galileo、QZSS、NavICサポート) 加速度センサー 電子コンパス 光センサー 近接センサー ジャイロスコープ 磁気センサー 指紋センサー(電源ボタンに内蔵) |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (周波数帯域:2.4GHz/5GHz/6GHz) Bluetooth® 5.3 FMラジオ:非対応 NFC:搭載 |
通信方式 | 5G NR:n1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n20/n28/n38/n41/n77/n78 FDD-LTE:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B20/B26/B28 TD-LTE:B34/B38/B39/B40/B41/B42 キャリアアグリゲーション:7CA(DL)/2CA(UL) 対応 W-CDMA:B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19 GSM/EDGE:850/900/1,800/1,900MHz |
インターフェース | USB Type-C×1 (USB 2.0) nanoSIMスロット×2 カードリーダー非搭載 マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック×1 |
防水・防塵 | IP65/IP68 |
バッテリー | 4,300mAh 最大30W (Quick Charge 4.0/USB Power Delivery 3.0対応) 最大15Wのワイヤレス充電に対応 |
サイズ | 高さ:約146.5mm 幅:約68.1mm 奥行き:約9.4mm |
質量 | 約172g |
主な付属品 | USB ACアダプターセット SIMイジェクトピン 専用ケース ユーザーマニュアル 製品保証書 |
カラーバリエーション
RAM+ROM 価格 | カラー:型番 |
8GB+128GB 99,800円 | ミッドナイトブラック:ZF10-BK8S128 |
8GB+256GB 112,800円 | ミッドナイトブラック:ZF10-BK8S256 コメットホワイト:ZF10-WH8S256 スターリーブルー:ZF10-BL8S256 エクリプスレッド:ZF10-RD8S256 オーロラグリーン:ZF10-GR8S256 |
16GB+512GB 134,800円 | ミッドナイトブラック:ZF10-BK16S512 スターリーブルー:ZF10-BL16S512 |
外観チェック
5.9インチの片手に収まるコンパクトサイズ。背面素材には、環境に優しいバイオマス由来のポリカーボネートを採用し、滑りにくく指紋も付きにくいデザインになっている。
左側面には何もなし。右側面に、指紋センサーを搭載した電源ボタンと音量調節ボタン。
上部に、マイク穴と3.5mmイヤホンジャック、受話口はスピーカーにもなっている。下部に、SIMスロット、マイク穴、USB Type-C、スピーカー。
付属品は、ユーザーマニュアル、製品保証書、ACアダプター、USBコード、SIMイジェクトピン、専用ケース。ケースはハードタイプで、装着するとせっかくのデザインを台無しにしてしまう。見た目を重視するなら裸の方が良いけど、カメラ部分が凸っているのでケースはつけておきたいところ。
ベンチマーク
機種 プロセッサー | Zenfone 10 Snapdragon 8 Gen 2 | Zenfone 9 Snapdragon 8+ Gen 1 | 性能上昇率 |
Geekbench 5 | シングル:1401 マルチ:5007 | シングル:1179 マルチ:3955 | シングル:18.8% マルチ:26.5% |
3DMark Wild Life Extreme | 3720 | 2781 | 33.7% |
PCMark for Android Benchmark | 19121 | 11395 | 67.8% |
使用したのはメモリ16GB/ストレージ512GBの最上位モデル、システムモードは高性能で計測。比較対象としてZenfone 9のスコアと上昇率を算出してみました。公式の情報によると前モデルと比較して、CPU15%、GPU20%、電力効率15%上昇しているとのこと。計測するたびにスコアは変わるため参考値としてください。
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | 6回目 | |
スコア | 1554150 | 1563572 | 1544140 | 1532811 | 1546279 | 1492347 |
スコア差 | 基準値 | +9422 | -10010 | -21339 | -7871 | -61803 |
付属の専用ケースつけた状態で、AnTuTu Benchmark(v10.1.1)を6回連続して計測した結果です。負荷をかけ続けてもパフォーマンスを維持できるようです。ゲームなどをしている場合には画面が温かくなるのは気になるかも。
レイトレーシングテスト
Snapdragon 8 Gen 2を搭載しているためレイトレーシングに対応。3DMarkのレイトレーシングテスト「Solar Bay」の結果は、5364というスコアでした。
ストレージテスト
ストレージ性能も向上しています。PCMarkのStorage 2.0の計測結果は「51023」というスコアで、Zenfone 9のスコア「30144」と比較すると69.2%上昇している。
バッテリーテスト
システムモードはダイナミック、リフレッシュレートは自動で、PCMark の Work 3.0 battery life を計測。結果は、17時間31分。バッテリー残量20%までは、14時間47分。リフレッシュレートを120Hzで計測すると11時間45分とかなり短くなりました。バッテリーの減りが速い場合には、システムモードやリフレッシュレートを見直すこと。
公式の情報ではZenfone 9から12.9%向上しているという。以前計測したもの15時間50分と比較すると、実測値では1時間41分(23.6%)も駆動時間は長くなっている。
急速充電の速度計測
急速充電は、最大30W (Quick Charge 4.0/USB Power Delivery 3.0対応)。電池残量を15%まで減らした状態から、どれくらいの速度で充電できるか計測してみました。Zenfone 9よりも充電速度はゆっくりになって、負担がかからないように調整されているのでしょうか。
充電時間 | 電池残量 | 回復量 | 回復差 |
開始時 | 15% | 0% | 0% |
15分 | 42% | 27% | +27% |
30分 | 59% | 44% | +17% |
45分 | 77% | 62% | +18% |
1時間 | 88% | 73% | +11% |
1時間15分 | 99% | 84% | +11% |
バッテリー機能には、劣化を最小限に抑えるバッテリーケアが搭載されています。ライフスタイルに応じて、低速充電、予約充電、充電制限の設定をしておくとよい。
リバースチャージ
OTGケーブルをつなぐことで、Zenfone 10本体から給電するリバースチャージに対応しています。ワイヤレスのリバースチャージには非対応。
スマートキー
電源ボタン(ZenTouch 2.0)は、指紋センサーとスマートキー機能に対応。ダブルタップ、長押し、スワイプにそれぞれ機能を割り当てることができます。
設定→拡張機能→スマートキーのダブルタップと長押しに、それぞれのカスタマイズからシステム系の機能だけでなくよく使うアプリの割り当ても可能。決済アプリを設定し指紋解除と併用すれば、支払いがスムーズに行える。
スワイプには、通知の表示、Webページの移動や更新、動画の早送りや巻き戻しなどの割り当てがある。YouTubeで少し巻き戻したり、早送りしたりするのに便利。
その他にも、背面タップの動作に機能を割り当てたり、スリープ状態からカメラを起動して撮影するクイックショット、ゲームアシスタントツールのGame Genieなど、別記事でまとめてあります。初期設定や使い方などのなどの参考に。
カメラ性能
5000万画素の広角カメラと、1300万画素の超広角カメラ。6軸スタビライザー2.0搭載しているため、カメラを起動中にレンズを覗くと中心部分が動いているのがわかる。インカメラは、3200万画素に向上。
カメラを起動しているときに、下にスワイプまたは矢印をタップすると設定パネルが開く。カメラ設定はパネルの右下歯車アイコンから。6軸ハイブリッドジンバルスタビライザーが作動しているときは、右上にスタビライザーアイコンが表示される。
シャッターボタンは、右にスワイプするとバーストショット(連写)。上にスワイプすると最大10秒のタイマー。長押ししている間は動画撮影になり、そのまま上にスワイプすると離しても録画を維持してくれる。動画撮影時には、右上のアイコンをタップすると画面が暗くなり省電力モードで実行できます。
動画モードで設定パネルを開くと、手振れ補正の種類を選択できる。Adaptiveは、揺れ度合いに応じて動的に調整。HyperSteadyは、揺れが多いときに効果的だが、より画角が狭くなり4K・8Kは適用できない。
標準撮影・2倍ズーム・8倍ズーム。最大ズームにした場合、手前の木々は荒くなるけど塔の赤白チェックはしっかり表示されている。
近距離でミニチュアを撮影。通常撮影・2倍ズーム・8倍ズーム。最大ズームで黄色いカメラマンにフォーカスしてみると、しっかり補正されている。
広角と通常撮影の比較。通常撮影と夜景モードの比較。
通常撮影とポートレートモードでの比較。ポートレートの方が明るい。
食べ物とインカメラの物撮り。インカメラは、Zenfone 9と比較すると1,200万画素から3,200万画素に向上、光の取り込み67%向上、ノイズ50%低減しているとのこと。
最近投稿したHUAWEI新製品発表会とWATCH GT 4の記事内にある写真は、Zenfone 10で撮影しています。連続して撮影していると長押しで録画してしまうことがあった。設定で長押しのオフはできないのが残念なところ。
カメラ機能
アウトカメラ | インカメラ | |
写真 | 4:3(50MP) 4:3 ● 16:9 1:1 全画面表示 | 4:3 ● 16:9 1:1 全画面表示 |
動画の解像度 | 8K 24FPS 4K 30/60FPS FHD 30●/60FPS HD 30/60FPS | 4K 30FPS FHD 30FPS● HD 30/60FPS |
スローモーション | 4K 120FPS FHD 120/240FPS● HD 120/240/480FPS | ー |
タイムラプス | 解像度 4K/FHD●/HD 録画速度 30×/90×/150×/300× 動画の長さ 15s/20s/30s/∞ オートズーム(最大4倍) ズームイン/ズームアウト | ー |
ズーム | 写真:最大8倍 動画:最大4倍 (HyperSteadyオフ時) | ー |
その他機能 カメラモード | 美人エフェクト 広角撮影 ポートレート パノラマ 夜景 PROモード PROビデオ ライトトレイル | 美人エフェクト ポートレート |
※●が初期値
SIMのAPN設定を確認
SIMスロットは、表と裏にnanoサイズのSIMが入るデュアルSIMスロット。eSIMやmicroSDカードは非対応。各回線のSIMを入れてAPN設定を確認してみました。
ほとんど初期設定されていて、どの回線を選択しても新しく追加することなく使えそうです。数年前に新規受付が終了している格安SIMまでしっかりありました。SIMを挿して、設定→ネットワークとインターネット→インターネット→SIM1もしくはSIM2の設定→アクセスポイント名にて対象のAPNを選択するだけで使えるようになります。
ゲームの動作確認
設定→拡張機能→Game Genie→ゲームリストの管理に追加されているアプリは、ゲーム中に左右どちらかの上部から内側にスワイプすることでゲームアシスタントツールを使うことができる。これは、ASUSのゲーミングスマホROG Phone 7と使い方は同じ。一部の機能はZenfone 10だと非対応ですが、リンク先で詳しく解説しているので参考に。
ポケモンGO
ポケモンGOをツインアプリで複製することで、2つのアカウントで同時に遊ぶこともできます。画面分割だとフローティングのショートカットボタンが右下に表示され上下の入れ替えが楽にできる。フローティングウィンドウだとバブルに格納でき、必要な時だけ表示が可能。
Google Play 開発者サービス(AR)(旧ARCore)に対応しているため、AR+で遊ぶこともできます。
原神
デフォルトのグラフィックス設定は中。システムモードは高性能で30分プレイしてみると、電池残量4%減少、温度は36℃まで上昇。設定を最高60FPSにすると、30分で電池残量11%減少、温度は44℃まで上昇し画面が温かくなるのを感じる。Zenfone 9と比べると電池の減り方が少なくなった。
PUBG
グラフィックの初期設定は、クオリティがHD、フレーム設定が高。クオリティはウルトラHDRの選択も可能で、最高40FPSで動作する。クオリティをスムーズにしても90FPSの設定はなく極限が最高。
有線コントローラーの接続確認
動作確認 | 純正ケース装着時 | パススルー充電 | |
Razer Kishi V2 | 〇 | 〇 | 〇 |
Backbone One | 〇 | 〇硬め | 〇 |
GameSir X2 Pro-Xbox | 〇 | 〇 | 〇 |
Zenfone 10を挟み込んで有線接続するゲームパッドの動作確認です。Razer Kishi V2は、ラバークッションを外すと純正ケースをつけたままでも装着できます。Backbone Oneは、ケース付きだと少し硬く強めに押し込むことで接続できた。GameSir X2 Pro-Xboxは、何も問題なし。
購入先
RAM+ROM 価格 | カラー:型番 |
8GB+128GB 99,800円 | ミッドナイトブラック:ZF10-BK8S128 |
8GB+256GB 112,800円 | ミッドナイトブラック:ZF10-BK8S256 コメットホワイト:ZF10-WH8S256 スターリーブルー:ZF10-BL8S256 エクリプスレッド:ZF10-RD8S256 オーロラグリーン:ZF10-GR8S256 |
16GB+256GB 134,800円 | ミッドナイトブラック:ZF10-BK16S512 スターリーブルー:ZF10-BL16S512 |
8GB+128GBモデル
8GB+256GBモデル
16GB+256GBモデル
格安スマホセット
まとめ
前モデルのZenfone 9と比較してみると様々なところが向上している。処理性能は向上し消費電力の低下も明らかな数値として確認できました。機能面ではワイヤレス充電にも対応し、使いやすさも向上。コンパクトスマホではこれ以上にない仕上がりになっている。欲を言うと、eSIMに対応していれば完璧だったのに。
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