ASUSスマホ「Zenfone 11 Ultra」のレビューです。今回のモデルは小型ではなく、大型化してほぼゲーミングスマホに近い。
※貸出機によるレビューです。記事内にはアフィリエイトリンクも含みます。
スペック
メモリ/ストレージ カラー/型番 | 16GB/512GBモデル ・エターナルブラック/ZF11U-BK16S512 ・スカイラインブルー/ZF11U-BL16S512 12GB/256GBモデル ・エターナルブラック/ZF11U-BK12S256 ・スカイラインブルー/ZF11U-BL12S256 ・ミスティグレー/ZF11U-GY12S256 ・デザートサンド/ZF11U-OR12S256 |
プラットフォーム | Android™ 14 (ZenUI) |
プロセッサー | Snapdragon 8 Gen 3 |
ディスプレイ | 6.78 型 LTPO AMOLED ディスプレイ 2,400×1,080 ドット (フル HD+) リフレッシュレート最大 144Hz Corning® Gorilla® Glass Victus™ 2 |
アウトカメラ | 5,000 万画素 広角カメラ 1,300 万画素 超広角カメラ 3,200 万画素 望遠カメラ |
インカメラ | 3,200 万画素カメラ |
オーディオ | デュアルスピーカー マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック搭載 |
生体認証 | 顔認証 指紋認証(画面内) |
防水防塵 | IP65/IP68 |
NFC おサイフケータイ | 搭載 |
Wi-Fi | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (周波数帯域:2.4GHz/5GHz/6GHz) |
Bluetooth | 5.4 |
バッテリー | 5,500mAh 最大65W (Quick Charge 5.0/USB Power Delivery 3.0対応) ワイヤレス充電対応 |
サイズ | 高さ:163.8mm 幅:76.8mm 奥行き:8.9mm |
重さ | 225g(実測は221.9gだった) |
付属品 | USB Type-Cケーブル (Type-C to Type-C) SIMイジェクトピン 専用ケース ユーザーマニュアル (兼製品保証書) |
ASUS Store 価格 | 16GB/512GBモデル ・159,800円 12GB/256GBモデル ・139,800円 |
外観チェック
形はROG Phone 8と同じ。ケースや保護フィルムなど共通のアクセサリが使えそうだ。背面カラーは、スカイラインブルー。指紋が付きにくいさらりとしたデザインで、本体フレームにはリサイクルアルミニウムを100%使用しているとのこと。
左側面には何もなし、右側面に、電源ボタン、音量調節ボタン。ROG Phone 8と同じ形でも、AirTriggersやサイドコネクタは非搭載です。
上部にはマイク穴のみ。画面中央にパンチホール型のインカメラ。保護フィルムの貼り付けは無し。下部に、USB Type-C、SIMスロット、スピーカー、マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック。
付属品は、黒いハードケース、冊子類、USB Type-Cケーブル、SIMピン。ACアダプタは付属していない。ケースは両サイドが大きく空いていて軽量化されています。ケース込みの重さは、242.2gありました。
ベンチマーク
システムモード | 高性能 | ダイナミック |
Geekbench 6 | シングル:2305 マルチ:6118 | シングル:1677 マルチ:4825 |
3DMark Solar Bay | 8701 | 4957 |
PCMark for Android Benchmark | 21965 | 14026 |
システムモードを高性能とダイナミックで比較してみると、スコアの差は大きかった。ダイナミックは、一般的な使い方におすすめなモードのため性能を抑えているようです。
ベンチマークアプリは、Game Genieで高性能の固定ができなかった。AnTuTu Benchmarkも高性能モードの固定はできず、途中でダイナミックに戻ってしまう。それと何度か計測してみたところ側面の発熱が気になった。
バッテリーテスト
PCMark の Work 3.0 battery lifeを計測。条件は、リフレッシュレート自動、画面輝度100%、音量0、システムモードはダイナミック。結果は7時間41分、バッテリー残量20%までの実行時間は、6時間30分。ROG Phone 8では、20時間1分という長時間駆動で、同じ条件でテストしてもかなりの違いになった。
急速充電速度
バッテリー残量を15%まで減らした状態から、どのくらいで充電できるか計測してみました。65Wの急速充電に対応しているのですが、手持ちの100W充電器を試してみたところ20Wほどで充電しているのを確認。違う充電器であればもっと速く充電できるはず。
充電時間 | 電池残量 | 回復量 | 回復差 |
開始時 | 15% | 0% | 0% |
10分 | 28% | 13% | +13% |
20分 | 42% | 27% | +14% |
30分 | 55% | 40% | +13% |
40分 | 67% | 52% | +12% |
50分 | 79% | 64% | +12% |
1時間 | 90% | 75% | +11% |
1時間10分 | 100% | 85% | +10% |
充電速度は遅いけれどワイヤレス充電にも対応しています。
AI機能
AI機能の一部はまだベータ版となります。
AI文字起こし
音声レコーダーに、AI文字起こし機能が備わっています。録音しながらテキストに変換し、保存後には要約の生成にも対応している。
音声レコーダーアプリを起動した右上に設定があり、「音声録音時に即座に文字起こしを実行する」を有効にするか、録音後にもテキスト化することもできます。このAI文字起こしはインターネット環境がなくても実行可能となっている。ただしデータ容量の大きいAIキットが必要なため、あらかじめインストールしておくこと。
AI通話翻訳
通話アプリはAIノイズキャンセリングやAI通話翻訳に対応しています。アプリ起動後右上の設定から通話を選択するとAI機能がある。
AI通話翻訳は、発信側と着信側の言語を選択する必要があり、英語以外の言語はインスツールすること。通話中の音声設定もあり、初期設定で自分の声は発信されずに翻訳された音声のみ発信するようになっています。
便利機能や初期設定
別記事でまとめているので参考に。
カメラ性能
アウトカメラは、5,000万画素の広角カメラ、1,300万画素の超広角カメラ、3,200万画素の望遠カメラ。6軸ハイブリッドジンバルスタビライザーも継続して搭載している。インカメラは、3,200万画素。カメラ性能はROG Phone 8と同じようです。
プレビュー画面下に「0.7x/1x/2x/3x」あり、タップすることで120度の超広角から3倍の光学ズームに対応。倍率を長押しするとスライダーが表示され、最大30倍ズームまで対応。シャッターボタン上に10倍/30倍の切り替えも表示されます。倍率が10倍を超えると右上のガイド枠でどこを撮影しているかわかる。
シャッターボタンは、上にスワイプでタイマー、右にスワイプで最大100枚のバーストショット。長押しで動画撮影ができ、離すと停止、上にスライドさせてロックすると継続します。
リアルタイムに強力な手振れ補正をしてくれる「6軸ハイブリッドジンバルスタビライザー」に対応。スタビライザーガイドを有効にすると中央に円が表示されます。ジンバルが作動しているときには、プレビュー画面の右上にサイコロのようなアイコンも表示される。動作するのは2.7倍ズームまでで、2.8倍にするとアイコンは消えます。
動画の手振れ補正は、最適な画角を自動調整してくれる「Adaptive」と、運動中や揺れが多い場合に適した「HyperSteady」に対応。録画中には右上に省電力モードのアイコンが表示され、タップすることで画面を暗くする。
カメラ機能
アウトカメラ | インカメラ | |
写真 | 4:3(50MP) 4:3 ● 16:9 1:1 全画面表示 超広角 3倍光学ズーム 30倍デジタルズーム AIビューティ | 4:3 ● 16:9 1:1 全画面表示 超広角 AIビューティ |
動画 | 8K 24fps 4K 30/60fps FHD 30●/60fps HD 30/60fps 最大10倍ズーム 風切り音低減 | FHD 30fps● HD 30/60fps 風切り音低減 |
スローモーション | 4K 120fps FHD 120/240fps● HD 120/240/480fps 最大4倍ズーム | ー |
タイムラプス | 4K FHD ● HD 録画速度 30●/90/150/300× 動画の長さ 15●/20/30s/∞ オートズームイン/アウト対応 最大4倍ズーム | ー |
その他機能 カメラモード | ポートレート(美人エフェクト) ポートレート動画 パノラマ ライトトレイル 夜景(最大20倍ズーム) PROモード PROビデオ | ポートレート(美人エフェクト) 夜景 |
※●が初期値
各キャリアのAPN確認
SIMスロットは、表と裏にnanoサイズのSIMが入るデュアルSIMスロット。eSIMやmicroSDカードは非対応。各キャリアのAPN設定を確認してみました。
ほとんどのAPN設定が用意されていて、挿入するだけで使えるようになりました。
対応バンドはプラチナバンドやdocomoのn79にも対応。どのキャリアでも問題なく使えそうです。
ゲームの動作確認
ゲーム管理「Game Genie」にて様々なツールが使えます。設定→拡張機能→Game Genie→ゲームリストの管理から許アプリを許可、起動後に左右どちらかの上部から内側にスワイプすることで起動する。
ポケモンGO
ポケモンGOはAR機能にも対応。ツインアプリで複製すると、異なるアカウントで同時に動かすこともできます。
原神
デフォルトのグラフィックス画質は高。画面が大きくなったことで遊びやすくなった。Game Genieのキーマッピングにも対応しているため、原神もコントローラーで遊べます。ROG Phone 8にある感圧式ボタン「AirTriggers」や、AIアシスト機能「X Sense」には対応していない。
War Thunder Mobile
War Thunder Mobileではレイトレーシングに対応。拡大して比較すれば違いは分かりやすいけど、モバイルだと変化は小さく認識しにくい。
PUBG
グラフィック設定のデフォルトは、クオリティがHD、フレーム設定は高。クオリティの最高設定はウルトラHDRまで。スムーズにするとフレーム設定はExtreme+を選択できるようになる。Ultra Extremeは非対応でした。
有線コントローラーの接続確認
USB Type-Cで接続できる有線コントローラーを試してみました。製品詳細については各レビュー記事を参考に。
レビュー記事リンク | 動作確認 | 純正ケース装着時 | パススルー充電 | キーマッピング |
GameSir G8 Galileo | ○ | ○ | 21W | Game Genie 専用アプリ |
GameSir X2s 左Type-Cが不向き | ○ | △ 少しずれる | 21W | Game Genie 専用アプリ |
GameSir X2 Pro-Xbox | ○ | △ 少しずれる | 12W | × |
Razer Kishi V2 | ○ | × | 12W | 専用アプリ |
Backbone One | ○ | × | 20W | 専用アプリ |
Leadjoy M1C+ 冷却は不向き | ○ | ○ | 21W | Game Genie |
Zenfone 11 UltraのUSB Type-Cは中央ではなく、横向きにした時に下側に位置しています。そのためGameSir X2sは左にあるため不向き、Leadjoy M1C+は冷却伝導プレートからずれてしまうため冷却には不向きになる。
キーマッピングについては、GameSir G8 GalileoとGameSir X2sはモードを切り替えるとGame Genieで認識します。Leadjoy M1C+は接続するだけで認識する。Razer Kishi V2とBackbone Oneは、Game Genieでは認識しないため、それぞれコントローラーの専用アプリから対応できます。
まとめ
貴重なコンパクトのフラッグシップスマホではなくなってしまったのは残念。乗り換えを考えているなら大きさだけでなく重さも気になるところ。コンテンツを視聴するのに大きな画面はよいけれど、それならばより優れているROG Phone 8をおすすめしたい。一番安いモデルでも価格差は2万円ほどです。
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