コンパクトサイズでもハイスペックな「Zenfone 9」のレビューです。片手にフィットして操作しやすいサイズ感に、防水防塵おサイフケータイにも対応。
スペック
本体カラー | ミッドナイトブラック ムーンライトホワイト スターリーブルー サンセットレッド |
プラットフォーム | Android™ 12 (ZenUI) |
プロセッサー | Qualcomm® Snapdragon® 8+ Gen 1 (オクタコアCPU) |
RAM+ROM | 8GB+128GB 8GB+256GB 16GB+256GB |
表示機能 | 5.9型ワイド AMOLEDディスプレイ Corning® Gorilla® Glass Victus 2,400×1,080ドット (フルHD+) (120Hz) Adreno 730 |
サウンド機能 | Hi-Res Dirac HD Sound デュアルスピーカー内蔵 デュアルマイク内蔵 |
アウトカメラ | 5000万画素 広角カメラ 1,200万画素 超広角カメラ内蔵 LEDフラッシュ |
インカメラ | 1,200万 広角カメラ |
センサー | GPS(GLONASS、BeiDou、Galileo、QZSS、NavICサポート) 加速度センサー 電子コンパス 光センサー 近接センサー ジャイロスコープ 磁気センサー 指紋センサー(電源ボタンに内蔵) |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (周波数帯域:2.4GHz/5GHz) Bluetooth® 5.2 FMラジオ非対応 NFC |
通信方式 | 5G NR:n1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n20/n28/n38/n77/n78 FDD-LTE:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B20/B26/B28 TD-LTE:B34/B38/B39/B40/B41/B42 キャリアアグリゲーション:6CA(DL)/2CA(UL) 対応 W-CDMA:B1/B2/B3/B4/B5/B6/B8/B19 GSM/EDGE:850/900/1,800/1,900MHz |
インターフェース | USB Type-C×1 (USB 2.0) nanoSIMスロット×2 カードリーダー非搭載 マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック×1 |
防水・防塵 | IP65/IP68 |
バッテリー | 4,300mAh 最大30W (Quick Charge 4.0/USB Power Delivery 3.0対応) |
サイズ | 高さ:約146.5mm 幅:約68.1mm 奥行き:約9.1mm |
質量 | 約169g |
主な付属品 | USB ACアダプターセット SIMイジェクトピン 専用ケース ユーザーマニュアル 製品保証書 |
カラーバリエーション
RAM+ROM | カラー:型番 |
8GB+128GB | ミッドナイトブラック:ZF9-BK8S128 ムーンライトホワイト:ZF9-WH8S128 スターリーブルー:ZF9-BL8S128 サンセットレッド:ZF9-RD8S128 |
8GB+256GB | ミッドナイトブラック:ZF9-BK8S256 ムーンライトホワイト:ZF9-WH8S256 |
16GB+256GB | ミッドナイトブラック:ZF9-BK16S256 |
付属している保護ケースは、軽量薄型のハードタイプ。基本的にはブラックで、ムーンライトホワイトのみ、本体カラーに合わせたケースの色になっている。
外観レビュー
左上パンチホールタイプの5.9インチAMOLEDディスプレイ。リフレッシュレートは120Hz。片手で操作しやすいとされる横幅70mm以内に収めたコンパクトサイズです。
背面は、指紋が付きにくく高いグリップ性のあるデザイン。ポリカーボネートとポリウレタンの新素材で30%ほど軽量化を実現。大型のカメラモジュールを搭載していてもZenfone 8と同じ質量の約169gに収まっている。
側面の素材は艶消しのアルミ製で、左側にはボタンなどはない。
右側面に、電源ボタンと音量調節ボタン。電源ボタンは「ZenTouch」と呼び、指紋認証やスマートキー機能に対応する。詳細は使い方にて。
上部には、マイク穴とイヤホンジャック。デュアルスピーカーのため受話口はスピーカー兼用。保護フィルムは張られていないが、強化ガラスにCorning® Gorilla® Glass Victus™が採用されていて強度は十分。
下部に、SIMスロット、マイク穴、USB Type-C、スピーカー。Zenfone 8で搭載されていた充電ランプは廃止されている。
付属品は、SIMイジェクトピン、USB Type-Cコード、30WのACアダプター、製品保証書、ユーザーマニュアル、ハードタイプの保護ケース。
ベンチマーク
機種 プロセッサー | Zenfone 9 Snapdragon 8+ Gen 1 | Zenfone 8 Snapdragon 888 5G |
Geekbench 5 | シングル:1179 マルチ:3955 | シングル:1121 マルチ:3595 |
3DMark Wild Life Extreme | 2781 | ー |
PCMark for Android Benchmark | 11395 | 16130 |
計測に使ったのは、16GB / 256GBを搭載した最上位モデル「ZF9-BK16S256」。ベンチマーク系のアプリを起動すると、システムモードが高性能モードに自動的に切り替わる仕様ですが、適用せずに通常のダイナミックモードで計測した結果です。PCMarkでは高いスコアは出なかった。
AnTuTu Benchmark v9.4.4で、5回連続で計測した結果です。5回目で少し落ち込みはしたものの100万点以上のスコアをキープ。最終的な温度は40℃までに収まっている。
バッテリーテスト
PCMark の Work 3.0 battery life でバッテリー駆動時間を計測。システムモードはダイナミック、リフレッシュレート設定は自動で、15時間50分という結果になった。バッテリー残量20%までは13時間22分ほど。
Zenfone 8 では9時間47分だったので、バッテリー容量が増えているだけでなく電力効率も向上しているようです。
急速充電の速度計測
急速充電は、最大30W (Quick Charge 4.0/USB Power Delivery 3.0対応)。電池残量を15%まで減らした状態から、どれくらいの速度で充電できるか計測してみました。
充電時間 | 電池残量 | 回復量 | 回復差 |
開始時 | 15% | 0% | 0% |
5分 | 44% | 29% | +29% |
10分 | 66% | 51% | +22% |
15分 | 83% | 68% | +17% |
20分 | 93% | 78% | +10% |
25分以内 | 100% | 85% | +7% |
25分で確認した時には100%の状態で、それより前に満充電になっています。充電速度は十分快適。バッテリーの劣化を最小限に抑えるバッテリーケアも搭載しているため、ライフスタイルに応じて、低速充電、予約充電、充電制限の設定をしておくとよい。
リバースチャージ
Zenfone 9 本体から給電するリバースチャージにも対応しています。OGT対応ケーブルでつなげば、他のスマホやiPhone、ワイヤレスイヤホンなどの充電が可能。
初期設定や使い方
ZenTouch(電源ボタン)は、指紋センサーだけでなくスマートキー機能にも対応。2回押す/長押しに機能の割り当てができる。よく使う決済アプリを起動するように割り当てておくと便利かもしれない。
さらにZenTouchには、スワイプで動作するクイックアクセスも追加されています。通知のチェックや画面の更新などの機能を割り当てられる。
その他にも、バッテリーの劣化を最小限に抑えるバッテリーケアや、ゲームアシスタントツールのGame Genieなど、別記事でまとめてあります。初期設定や使い方などのなどの参考に。
Zenfone 8と比較
Zenfone 8 | Zenfone 9 | |
幅 | 約68.5mm | 約68.1mm |
高さ | 約148mm | 約146.5mm |
軽さ | 約169g | 約169g |
- CPU性能+10.9%
- カメラモジュール+40%
- バッテリー+7.5%(4,000→4,300mAh)
- 冷却システム+230(ヒートパイプ→ベイパーチャンバー)
サイズは少しだけ小さくなって質量は同じ。これはカメラモジュールが大きくなったのと、バッテリー容量が増えているのにかなり軽量化されたことになる。また冷却システムが強化されているため、Zenfone 8のような発熱の心配はなさそう。
大幅に性能は向上したけどなくなった機能もあり、FMラジオや充電ランプなど Zenfone 9 では廃止されている。買い替えを考えている人は認識しておきたいところ。
カメラ性能
- 5,000万画素の広角カメラ
- 1,200万画素の超広角カメラ
6軸のハイブリッドジンバルスタビライザーを搭載した大きなカメラモジュール。
カメラ動作中にレンズを覗くと、中心部分が動いているのがわかります。これにより不要なモーションを排除し、手振れの少ない撮影が可能。
カメラフレーム下側の「0.6」をタップすると広角撮影モード。上部の「∨」をタップ、もしくは下にスワイプするとメニューが開きます。
下部にある「2×」とタップするか「1×」を長押しするとスライダーが表示され細かくズームの調整ができます。最大8倍までズーム可能。
カメラフレームとシャッターボタンの間をスライドしてカメラモードの変更。その他の右上にあるペンアイコンから編集ができ、モードツールバーの配置をカスタマイズできます。カメラ設定のカメラモードの編集からも操作できます。
スタビライザーガイドを有効にすると、中央に⦿が表示されるようになります。端末の動きに合わせて真ん中の点が移動するので、それを円の中に入った状態を保つことで安定した撮影ができる。
動画のプルダウンメニューにある手振れ補正は、初期設定で一番強いHyperSteadyになっています。後ろのジェットコースターの位置を見るとわかるのだけど、手振れ補正機能が強いほど画角が狭くなるため、必要に応じて切り替えるとよい。それと、4K/8KではHyperSteadyは使えないため普通かOFFにしてから。
手振れ補正の比較動画。左がHyperSteadyオン、右がオフ。段差を移動してもかなり滑らかな撮影ができます。比較してみると画角が狭くなっているのもわかる。安定した撮影ができるときには手振れ補正をオフにするのも良い方法。
同じ位置から、広角、通常、2倍ズーム、8倍ズームで撮影した比較です。設定からカメラ解像度を 4:3(50MP)にすると、8192×6144 / 17.80MBほどになった。
接写をしてみたところいい感じに撮影できました。ラーメンうまそう!右側では2倍ズームを使った撮影。最近マクロレンズを搭載しているスマホが多いけど、ズームで事足りてしまうためあまり使わない。Zenfone 9 ではなくても十分。
夜間に通常モードと夜景モードで撮影した時の比較です。かなり明るくはっきり撮れているのがわかります。
カメラ機能
アウトカメラ | インカメラ | |
写真 | 4:3(50MP) 4:3 ● 16:9 1:1 全画面表示 | 4:3 ● 16:9 1:1 全画面表示 |
動画の解像度 | 8K 24FPS 4K 30/60FPS FHD 30●/60FPS HD 30/60FPS | 4K 30FPS FHD 30●/60FPS HD 30/60FPS |
スローモーション | 4K 120FPS FHD 120/240FPS● HD 120/240/480FPS | ー |
タイムラプス | 解像度 4K/FHD●/HD 録画速度 30×/90×/150×/300× 動画の長さ 15s/20s/30s/∞ オートズーム(最大4倍) ズームイン/ズームアウト | ー |
ズーム | 写真:最大8倍 動画:最大4倍 (HyperSteadyオフ時) | ー |
その他機能 カメラモード | 美人エフェクト 広角撮影 ポートレート パノラマ 夜景 PROモード PROビデオ ライトトレイル(New) | 美人エフェクト ポートレート |
※●が初期値
ライトトレイル
新たにライトトレイルの撮影機能が追加された。手動シャッターや撮影時間を設定して、トラフィックライト、ライトフラフティ、滝などのシーンを撮影することができる。
トラフィックライト
人の多い通りで、光と影の流れるような効果を撮影するのに適している。
ライトグラフティ
暗闇の中の光と陰で、美しい絵をかくのに適している。
滝
絹のような流れる水と、霧状雲を撮影するのに適している。
人の往来
歩行者が多い通りの被写体を選び、フォーカスすることができる。
スタートレイル
夜空に輝く星の軌跡を撮影するのに適している。
SIMの設定確認
表と裏にnanoサイズのSIMが2枚入るDSDV対応SIMスロット。eSIMやmicroSDカードには非対応。楽天モバイルや格安SIMを試してみました。
- 楽天モバイル(楽天回線)
- OCNモバイルONE(docomo回線)
- povo(au回線)
- Softbank(ソフトバンク回線)
楽天モバイルはSIMを挿しただけで設定する必要なし、ソフトバンク回線はY!mobileのAPNが自動適用されそのまま使える。おそらくLINEMOも同じ挙動になると思う。OCNモバイルONEは古いAPNが適用されたので、新しいocn.ne.jpの方に切り替えてあげる必要はある。povoはAPN設定はあるけれど、自動的には有効化されないため選択の操作は必要。
システムアップデートでAPNリストの更新が来ていたので、バージョンによって違いはあるかもしれません。
ゲームの動作確認
設定→拡張機能→Game Genie→ゲームリストの管理に追加されているアプリは、ゲーム中に上部から内側にスワイプすることでゲームアシスタントツールを使うことができる。一部の機能なないけど、ASUSのゲーミングスマホROG Phone 6とほとんど同じなのでリンク先を参考に。
ポケモンGO
ポケモンGOをツインアプリで複製することで、2つのアカウントで同時に遊ぶこともできます。フローティングウィンドウだとバブルに格納できるし、画面分割だとフローティングのショートカットボタンが表示され入れ替えが楽にできる。
Google Play 開発者サービス(AR)(旧ARCore)に対応しているため、AR+で遊ぶこともできます。
原神
デフォルトのグラフィックス設定は中。この設定のままだと余裕で動作し、30分で電池残量7%減少、温度上昇は37℃。設定を最高、60FPSにして負荷をかけてみたとこ1時間で電池残量33%減少、温度は45℃まで上昇した。温かくはなるけれど、冷却システムが強化されたおかげでこれだけで済んでいるような感じです。
久しぶりに小さい画面で遊んでみたけど、ボタンの位置が微妙に狭く少しやりにくいかな。
PUBG
グラフィックの初期設定は、クオリティがHD、フレーム設定が高。このままでは30FPSしか出ない。フレーム設定は極限を選択すると60FPSで遊ぶことができます。クオリティをFHDの選択もでき、その場合はウルトラ(40FPS)まで。逆にクオリティをスムーズにしても90FPSは出てこないため極限が最高設定。
デメリットと購入メリット
デメリット
デメリットを上げるとするなら価格が高いことぐらいだろうか。ハイスペックなモデルのためしょうがないのだけど、円の価値がここまで安くなかったら違っていたのかもしれない。あとは、eSIMやmicroSDカードが非対応なところは人によってはデメリットと感じると思う。さらに細かいところを上げると、カメラモジュールがデカすぎて指紋などでレンズが汚れやすいってとこかな。拭いてから使うのを意識したいところ。
購入メリット
メリットは、電池持ちがよくバッテリーケアをうまく設定しておけば長い期間使うことができそう。高価であっても、その分年数を使うことができれば、そこまで負担額は多くないかも。高性能でサクサク動き冷却システムも優秀、片手で操作しやすくスマートキーなど使いやすい機能も搭載。防水防塵おサイフケータイ対応のコンパクトスマホが良ければこれ以上のスマホはないかも。
個人的には画面内指紋認証ではなく、側面の電源ボタンに指紋センサーが内蔵したのはとてもうれしいところ。また、顔認証もマスクをしたまま認識してくれるため、ロック解除系の使い勝手はかなり良いです。
価格とカラー
RAM+ROM | 価格 | カラーと型番 |
8GB+128GB | 99,800円 | ミッドナイトブラック:ZF9-BK8S128 ムーンライトホワイト:ZF9-WH8S128 スターリーブルー:ZF9-BL8S128 サンセットレッド:ZF9-RD8S128 |
8GB+256GB | 112,800円 | ミッドナイトブラック:ZF9-BK8S256 ムーンライトホワイト:ZF9-WH8S256 |
16GB+256GB | 129,800円 | ミッドナイトブラック:ZF9-BK16S256 |
磁気センサーで機能を拡張できる専用アクセサリーもあります。別記事でレビューしているので参考に。
まとめ
前モデルの Zenfone 8 からかなり改善され、とても良い仕上がりとなっています。高性能なコンパクトスマホが欲しいなら Zenfone 9 以外にはないというぐらい。デザイン性も良いため、長く使える相棒として考えるとそんなに高くはないのかな。
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