現状ゲーミングノートPC最高スペックの「ROG Strix SCAR 18 G834JY」レビューです。価格の問題はあるけど、ノート型でもこれだけ高性能ならデスクトップPCはもう必要ないかも。
スペック
型番 | G834JY-I9R4090 |
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Core i9-13980HX |
メモリ | 32GB(最大64GB) DDR5-4800 |
SSD | 2TB RAID0 (1TB×2) PCI Express 4.0 x4接続 |
GPU | RTX 4090 Laptop GPU |
ディスプレイ | 18.0型ワイドTFTカラー液晶 ノングレア 2560×1600 (240Hz) タッチ非対応 |
Windows Hello | 非対応 |
駆動時間 | 約9.2時間 |
サイズ | 幅399mm×奥行き294mm×高さ23.1~31.1mm |
質量 | 約3.1kg |
価格 | 599,800円 |
性能を抑えたモデルもあり、GeForce RTX 4080 Laptop GPUとSSD 1TBになる ROG Strix SCAR 18 G834JZ(型番:G834JZ-I9R4080)の価格は 519,800円。同じシリーズで16インチのモデルもあります。
外観チェック
ディスプレイは18インチ、リフレッシュレート240Hz、アスペクト比は16:10、画面占有率は約89%、ベゼル幅は狭く没入感は高い。
背面の排気孔は、ライティング設定でカラフルに光る。天板のROGエンブレムも連動している。底面はゴム足でセパレートしていて、内部にある3つのファンに外気を効率よく取り込む設計になっているようです。前側の左右スリットはスピーカー。
前面の下側にも連動するライティング。左右のヒンジ付近には前面スピーカーを搭載しています。キーボードの上部は、内部が見えるスケルトンボディ。
背面についているArmorキャップは、取り外しができ中のスピーカーを覗けます。違うデザインのものが1つ付属していますが、特別なギミックはなく着せ替えのみ。Armorキャップは、公式サイトより3Dデータをダウンロードして3Dプリンターで自作することもできるようです。
RGBイルミネート仕様の108キー日本語キーボードを搭載。2.0mmのキーストローク、タッチパッドは大きい。指の温度を上げないようにWASDキー周りには排気口が設けられていているようです。Armoury Crateのライティングは種類が多く、画像のはレインモードで、白、赤、青がランダムで点灯したりする。
左側面に、排気口、電源ポート、有線LANポート、HDMI、Thunderbolt 4 (Type-C) 、USB3.2 (Type-C/Gen2)、マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック。右側面にUSB3.2 (Type-A/Gen2)×2、排気口。画面を開いたときの最大角度がここまで。
Thunderbolt 4 からの充電には非対応で、もう1つのType-Cは100Wの充電に対応する。映像出力は両方とも対応しています。
ACアダプターは330W。コード込みの重さは、約113.1g。かなりの重量だけどこれは仕方がない。
ベンチマーク
ROG Zephyrus M16 GU604VYを比較対象としています。CPUはCore i9-13900H、GPUはRTX 4090 Laptop GPU 最大TGP150Wのもの。レビュー機は、最大TGP175W。
Cinebench R23
- Core i9-13980HX:24コア(16Eコア+8Pコア)32スレッド
- Core i9-13980H:14コア(8Eコア+6Pコア)20スレッド
3DMark
GPUモードはUltimateで計測。サイレントだとスコアが逆転している。制限されている状態のため、あくまでも参考値として。
GPUモードはUltimateで計測。
ファイナルファンタジーXV
標準品質 | 高品質 | |
1920×1080 | 18988 非常に快適 | 16315 非常に快適 |
3840×2160 | 10081 とても快適 | 8672 快適 |
GPUモードはUltimate、ファンモードはTurboで計測。
Blender
GPUモードはUltimate、ファンモードはTurboで計測。
ストレージ速度
2枚のSSDを1つの論理ドライブとして認識するRAID 0 構成のため、読み書き速度は爆速。それと両サイドにあるUSB Type-Aでも計測し、規格通りの速度が出ているのを確認しました。
ゲームのロード時間
FORSPOKENのベンチマークにてゲームのロード時間を計測。
シーン1: 000.657sec
シーン2: 002.738sec
シーン3: 002.655sec
シーン4: 002.503sec
シーン5: 001.860sec
シーン6: 001.521sec
シーン7: 001.396sec
合計: 013.331sec
DLSS比較
GPUモードはUltimate、ファンモードはTurboで計測。
GPUモードはUltimate、ファンモードはTurbo、解像度は2560×1600で計測。DLSSフレーム生成(DLSS 3)をオンオフ切り替えて、どのくらい変わるか比較しています。プリセットや設定はそれぞれ高め。
- サイバーパンク2077:レイトレーシング:オーバードライブ
- F1® 22:超高
- HITMAN 3:初期設定からレイトレーシングをすべてオン
バッテリーテスト
設定は、画面輝度76、音量67の初期値のまま、GPUモードをエコモード、ファンモードをサイレントモードに変更。この状態でYouTube動画を再生してバッテリーの減り方を計測しました。ストリーミングの動画再生だと、1時間で27%ほど消費するようです。
残量 | 減少値 | 減少差 | |
1時間 | 76% | 24% | 24% |
2時間 | 49% | 51% | 27% |
3時間 | 22% | 78% | 27% |
3時間34分で電池残量6%になり「バッテリーの残量が少なくなっています。PCを電源に接続してください。」と表示されました。音量と輝度を抑えてあげればもう少し持ちそう。
急速充電は、5%から30分で58%、1時間で92%まで回復。
MyASUS
MyASUSにあるバッテリーケアモードをオンにすると、80%までの充電に抑えてバッテリーの劣化を抑えられます。持ち運ぶ予定があるときには、インスタント充電モードをオンにしておくと、100%まで充電してくるようになり、24時間後には自動的にオフになる便利な機能です。
その他MyASUSにある機能は、インターネットを優先に接続するTaskFirstと、最適な接続に自動的に切り替えるWiFi SmartConnectがあるだけ。
Armoury Crate
Armoury Crateのホーム画面で、GPUモードの変更やファンモードの変更ができます。右にスライドすると、システム設定にてWinキーやタッチパッドをロックしたり、起動音を無効化する設定もあります。ファンモードはホットキーでも切り替えられる。
GPUモードについては別記事で比較しています。
ホットキーのカスタマイズ
キーボード上部には5つのホットキーがあり、それぞれに機能が割り当てられています。デバイス→ROG Strix→カスタマイズ可能なホットキーから確認できます。
- M1:スピーカーの音量を下げる
- M2:スピーカーの音量を上げる
- M3:マイクのオン/オフを切り替える
- M4:ファンモードの切り替え
- M5:Armoury Crateアプリの起動
このホットキーはカスタマイズが可能で、無効化(何もしない)にしたり、他の機能やアプリの起動、マクロなどの割り当てもできます。
- マイクのオン/オフを切り替える
- スピーカーの音量を下げる
- スピーカーの音量を上げる
- スピーカーのオン/オフを切り替える
- キーボードのバックライトの輝度を下げる
- キーボードのバックライトの輝度を上げる
- 前のトラック
- 次のトラック
- 再生/一時停止
- 再生停止
- ファンモードの切り替え
- ディスプレイの輝度を下げる
- ディスプレイの輝度を上げる
- ディスプレイモードの切り替え
- タッチパッドの有効化/無効化
- スリープモードに入る
- 機内モードのオン/オフを切り替える
- 電卓アプリの起動
- マクロファイルの割り当て
- クイック起動アプリを選択
ホットキーには初期設定のアイコンがプリントされているため、変更した場合は間違えないように。ファンクションキーにも機能が割り当てられていて、Fnキーと同時押しでショートカットできます。
- F1:スピーカーのオン/オフを切り替える
- F2:キーボードの輝度を下げる
- F3:キーボードの輝度を上げる
- F4:ライティングエフェクトの切り替え
- F5:ファンモードの切り替え
- F6:Snipping Toolの起動
- F7:ディスプレイの輝度を下げる
- F8:ディスプレイの輝度を上げる
- F9:ディスプレイモードの切り替え
- F10:タッチパッドの有効化/無効化
- F11:スリープモードに入る
- F12:機内モードのオン/オフを切り替える
F4のライティングモードの切り替えは、スタティック、ブレス、ストロボ、カラーサイクル、レインボーのみ。他に切り替えたいときはライティング設定から。
ライティング
デバイス→ROG Strix→ライティングで、キーボードや本体周りの光り方を変えられます。他のデバイスよりも基本エフェクトは多いようですが、リアクティブ、レーザー、リップルは反応しなかった。レビュー用のサンプル機のせいなのか。右上にある設定から、ライティングのオン/オフの操作ができます。
初期設定ではスリープ時などすべてオンとなっています。ラップトップライトゾーンや光る背面など、必要なければオフに。
オーディオ
デバイス→ROG Strix→オーディオに、ノイズキャンセリングの設定があります。初期設定は、マイクロフォンモードが高品質の全方位モード、スピーカーモードはオフとなっています。双方向AIノイズキャンセリングを使用したいときには切り替えが必要。
16インチと比較
ROG Zephyrus M16 GU604VYと大きさを比較してみました。ノートパソコンで16インチは大きい方なのに、隣に並べると小さく見えてしまう。それだけ18インチは大きいということ。
重ねてみてもかなり大きいのがわかる。ちなみにこれ自立してます。16インチの方のゴム足が高いため、逆さまにすると厚みの違いが分かります。この大きさが冷却効率を上げているメリットな気がする。スペックの似ている16インチの「ROG Strix SCAR 16G634JY」でもこれだけ冷えるのか気になるところです。
逆にデメリットは、キーボード操作でゲームをするには画面との距離が取れないため大きすぎること。ヒンジを最大に開いて斜めにすると少し離れるため、これで慣れるか。キーボードではなくゲームパッドを使うなら大画面で音響も良く没入感は最高です。
購入先
性能が高いだけあり価格もそれなりにします。ASUS Storeでは頻繁にクーポンを発行しているので、セール対象になっているか確認すること。
まとめ
高性能で冷却能力も優秀、めちゃくちゃ快適なゲーミングノートPCでした。予算が出せるのであればデスクトップはもう必要ない。また、ゲーマーだけでなくゲーム開発者のためにも作られた製品とのことでクリエイターにも重宝しそう。持ち運びには向かないけれど、大画面を省スペースで作業できるのも魅力。
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