天板にドット絵のアニメーションを表示できるAniMe Matrixディスプレイを搭載した「ROG Zephyrus M16 GU604VY」のレビューです。価格は高いが、超ハイスペックを持ち運びたいという要求を満たしてくれるゲーミングノートPC。
スペック
型番 | GU604VY-I9R4090 |
カラー | オフブラック + AniMe Matrix |
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Core i9-13900H |
メモリ | 32GB(最大64GB) DDR5-4800 |
SSD | 2TB (PCI Express 4.0 x4接続) |
GPU | RTX 4090 Laptop GPU |
ディスプレイ | 16型ワイドTFTカラー液晶 ノングレア 2560×1600 (240Hz) (mini LED) タッチ非対応 |
Windows Hello | 顔認識 |
駆動時間 | 約6.6時間 |
サイズ | 幅355mm×奥行き246mm×高さ21.1~22.9mm |
質量 | 約2.3kg |
価格 | 629,800円 |
性能を抑えたモデルもあります。ディスプレイのmini LED非搭載、GeForce RTX 4070 Laptop GPU、SSD 1TBになる ROG Zephyrus M16 GU604VI(型番:GU604VI-I9R4070)は、価格 469,800円。
外観チェック
ゲーミングノートでも薄型で持ち運びにも向いているサイズ。ディスプレイは16インチ、リフレッシュレート240Hz、アスペクト比は16:10、ベゼルは狭く画面占有率は約92%。mini LEDを搭載し黒の表現力が従来よりも高く、最大輝度はかなり明るい。
底面の前後にかなりしっかりしたゴム足。内蔵しているファンは3つあり、その位置に合わせた左右と中央に通気孔。前側左右のスリットはスピーカー。天板カラーはオフブラック、光るAniMe Matrixはオフの状態。
AniMe Matrixディスプレイは、18,700個の極小LEDで構成されているようです。無数の穴が開いていて、ゴミが詰まらないようにしたいところ。
左側面に、電源ポート、排気孔、Thunderbolt 4 (Type-C)、HDMI、USB3.2 (Type-A/Gen2)マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック。右側面に、microSDカードリーダー、USB3.2 (Type-C/Gen2)、USB3.2 (Type-A/Gen2)、排気孔、ケンジントンロック。底面のゴム足の高さはあるが、ある程度まで画面を開くと持ち上がるエルゴリフトヒンジに対応。左右にあるType-Cは共に100Wの充電と映像出力に対応している。
ディスプレイは180度開くタイプ。そのため排気はディスプレイの上部へ抜ける仕様。インジケーターランプは、ディスプレイの下側に3つ配置されている少し変わったデザイン。
RGBイルミネート仕様の86キー日本語キーボード。英字キーボードのベースをそのまま日本語に変更しているため少し窮屈な仕様。キーストロークは1.7mm、タッチパッドは大きめ。左右にスピーカーを搭載し、底面とあわせると全部で6つ内蔵(1W×4、2W×2)臨場感のある音響を楽しめる。
ACアダプターは280W。コード込みの重さは、約810g。本体と合わせると3kgを超えます。持ち運び用として検討しているなら、この重さも考慮すること。
バックパックに収まるサイズ
22Lのバックパックに入れてみると、すっぽり収まりました。このバックパックの製品情報では14型までのノートパソコンの収納と記載されているが、高さが10mmほどはみ出るだけ。
- パソコン収納サイズ:W250×D30×H345mm
- パソコン本体サイズ:幅355mm×奥行き246mm×高さ21.1~22.9mm
バッテリーも入れるとそれなりに重たくなるものの、持ち運びはしやすいサイズ感です。
ベンチマーク
今回計測に使用しているROG Zephyrus M16 GU604VYはレビュー用のサンプル機になります。搭載しているGPUの最大TGPは150W、メーカーページでは145Wとなっており製品版とは異なるかもしれません。ちなみにグローバルページだと150Wになっている。
ROG Strix SCAR 18 G834JYを比較対象にしています。CPUはより性能の高いCore i9-13980HX、GPUは同じRTX 4090 Laptop GPUですが最大TGP175Wになる。
Cinebench R23
- Core i9-13980HX:24コア(16Eコア+8Pコア)32スレッド
- Core i9-13980H:14コア(8Eコア+6Pコア)20スレッド
3DMark
GPUモードはUltimateで計測。サイレントだとスコアが逆転している。制限されている状態のため、あくまでも参考値として。
GPUモードはUltimateで計測。
ファイナルファンタジーXV
標準品質 | 高品質 | |
1920×1080 | 16860 非常に快適 | 14484 非常に快適 |
3840×2160 | 9152 とても快適 | 8017 快適 |
GPUモードはUltimate、ファンモードはTurboで計測。
Blender
GPUモードはUltimate、ファンモードはTurboで計測。
ストレージ速度
ストレージ速度はとても快適。それとmicroSDカードはUHS-Iにて計測した結果。UHS-II規格にも対応しているようで、同規格のものであればもっと速度は出ます。USB Type-Aでも計測してみたところ、規格通りの速度が出ていました。
ゲームのロード時間
FORSPOKENのベンチマークにてゲームのロード時間を計測。
シーン1: 000.803sec
シーン2: 002.716sec
シーン3: 002.627sec
シーン4: 002.116sec
シーン5: 001.859sec
シーン6: 001.706sec
シーン7: 001.621sec
合計: 013.448sec
DLSS比較
GPUモードはUltimate、ファンモードはTurbo、解像度は2560×1600で計測。DLSSフレーム生成(DLSS 3)をオンオフ切り替えて、どのくらい変わるか比較しています。プリセットや設定はそれぞれ高め。
- サイバーパンク2077:レイトレーシング:オーバードライブ
- F1® 22:超高
- HITMAN 3:初期設定からレイトレーシングをすべてオン
バッテリーテスト
設定は、画面輝度75(ほぼ初期値)、音量67、GPUモードはエコモード、ファンモードはサイレントモードに変更。この状態でYouTube動画を再生してバッテリーの減り方を計測しました。ストリーミングの動画再生だと、1時間で20%ほど消費するようです。
残量 | 減少値 | 減少差 | |
1時間 | 82% | 18% | 18% |
2時間 | 62% | 38% | 20% |
3時間 | 42% | 58% | 20% |
4時間 | 21% | 79% | 19% |
4時間43分で電池残量6%になり「バッテリーの残量が少なくなっています。PCを電源に接続してください。」と表示されました。音量と輝度を抑えてあげればもう少し持ちそう。
急速充電は、5%から30分で59%、1時間で93%まで回復。
MyASUS
MyASUSにあるバッテリーケアモードをオンにすると、80%までの充電に抑えてバッテリーの劣化を抑えられます。持ち運ぶ予定があるときには、インスタント充電モードをオンにしておくと、100%まで充電してくるようになり、24時間後には自動的にオフになる便利な機能です。
その他MyASUSにある機能は、インターネットを優先に接続するTaskFirstと、最適な接続に自動的に切り替えるWiFi SmartConnectがあるだけ。
Armoury Crate
Armoury Crateのホームから、ファンモードやGPUモードの変更、AniMe Matrixの設定に行けたりします。右にスクロールするとシステム設定がある。
バックライトコントロール
システム設定では、Winキー、タッチパッド、起動音を無効化にしたりできます。バックライトコントロールの切り替えもあり、マルチゾーンではminiLEDを使用し明るく鮮明に、ワンゾーンでは従来のノートPCのパネルのように動作します。
ホットキーのカスタマイズ
キーボード上部には4つのホットキーがあり、それぞれに機能が割り当てられています。現在の機能は、デバイス→ROG Zephyrus M16→カスタマイズ可能なホットキーから確認できます。
- M1:スピーカーの音量を下げる
- M2:スピーカーの音量を上げる
- M3:マイクのオン/オフを切り替える
- M4:Armoury Crateアプリの起動
このホットキーはカスタマイズが可能で、無効化(何もしない)にしたり、他の機能やアプリの起動、マクロなどの割り当てもできます。
- マイクのオン/オフを切り替える
- スピーカーの音量を下げる
- スピーカーの音量を上げる
- スピーカーのオン/オフを切り替える
- キーボードのバックライトの輝度を下げる
- キーボードのバックライトの輝度を上げる
- 前のトラック
- 次のトラック
- 再生/一時停止
- 再生停止
- ファンモードの切り替え
- ディスプレイの輝度を下げる
- ディスプレイの輝度を上げる
- ディスプレイモードの切り替え
- タッチパッドの有効化/無効化
- スリープモードに入る
- 機内モードのオン/オフを切り替える
- 電卓アプリの起動
- マクロファイルの割り当て
- クイック起動アプリを選択
ホットキーには初期設定のアイコンがプリントされているため、変更した場合は間違えないように。ファンクションキーにも機能が割り当てられていて、Fnキーと同時押しでショートカットできます。
- F1:スピーカーのオン/オフを切り替える
- F2:ディスプレイの輝度を下げる
- F3:ディスプレイの輝度を上げる
- F4:ライティングエフェクトの切り替え
- F5:ファンモードの切り替え
- F6:Snipping Toolの起動
- F7:ディスプレイの輝度を下げる
- F8:ディスプレイの輝度を上げる
- F9:ディスプレイモードの切り替え
- F10:タッチパッドの有効化/無効化
- F11:スリープモードに入る
- F12:機内モードのオン/オフを切り替える
オーディオモード
デバイス→ROG Zephyrus M16→オーディオに、ノイズキャンセリングの設定があります。初期設定は、マイクロフォンモードが高品質の全方位モード、スピーカーモードはオフとなっています。双方向AIノイズキャンセリングを使用したいときには切り替えが必要。
AniMe Matrix
ホーム画面のクイックリンク、もしくはデバイス→AniMe Matrixから設定画面に行けます。表示できるモードは4種類。
- ドット絵アニメを表示するアニメーションモード
- 音に合わせて変化するオーディオモード
- バッテリー残量などを表示できるシステムモード
- バーチャルマスコットを表示するオムニモード
アニメーションモードでは、自作したアニメーションや画像を取り込んだりといろいろ楽しめます。オムニモードでは、スロットマシン、シューティングゲーム、モグラたたきなどのミニゲームに対応した表示もする。
システムモードで時間を表示し、画面を閉じているときでも時を刻んでくれるのはおしゃれ。ドット絵で楽しむのもいいし、実用的な使い方もできます。AniMe Matrixの使い方は別記事を参考に。
気になるところ
使っていてキーボードの中央からディスプレイ側にかけての発熱が気になりました。WASDキー付近は大丈夫だけれど、中央ディスプレイ側は特に熱くなります。排気は両サイドとディスプレイの手前から上部に抜ける仕様。持ち運び用途を考慮しているのか、背面には排気しないエアフローなんですね。あえての設計なので気にし過ぎなのかも。もしくはレビュー用のサンプル機というせいか。
逆に同時に借りていたROG Strix SCAR 18 G834JYの冷却性能は抜群なのだと改めて思いました。
購入先
性能が高いだけあり価格もそれなりにします。ASUS Storeでは頻繁にクーポンを発行しているので、セール対象になっているか確認すること。性能を抑えた同じシリーズのGU604VI-I9R4070が7万円引きで販売されていたりしました。
まとめ
高性能な16インチのゲーミングノートPCでも気軽に持ち運べるようなコンパクトサイズ。手持ちのバックパックの内部ポケットにギリギリ入るぐらいでした。高価なので手を出しにくいですが、AniMe Matrixは面白く、ドヤれるのは間違いなし。天板にステッカー貼るのは好きじゃないのでこういう方がいいですね。
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