ROG ALLYに最適なmicroSDカードを調べてみました。ただし、UHS-IIは価格が高いため、UHS-Iに限定し価格と性能のバランスでどれが良いかの比較です。いろいろ試した結果、SSD換装は必要なさそう。
ROG ALLYはUHS-II対応
ROG ALLYのmicroSDカードスロットは、最大300MB/sのUHS-II規格に対応しています。しかし、UHS-IIだと価格が高いというデメリットがあり、ゲーム用として期待するほどのパフォーマンスが出るかは疑問。それとmicroサイズはあまり販売されていないというのも現状です。
自作した外付けSSDのROG Strix Arionでも速度を計測してみたので、UHS-II規格のものが必要かどうかの参考にしてみてください。
【追記】@TheSoujiroさんがUHS-IIを試したみたいです。参考に。
Steamの外部ストレージ認識方法
SteamのBig Pictureモードでは、microSDカードを外部ストレージとして設定できなかったりします。Big Pictureモードを終了し、ラージモードの設定→ダウンロード→STEAMライブラリーフォルダーの+から追加する。
Big Pictureモードの終了方法などは別記事で解説しています。
microSDカード6種類
容量128GB、インターフェースUHS-I、UHSスピードクラスU3、ビデオスピードクラスV30、アプリケーションパフォーマンスクラスA2というすべて共通のものを購入しました。
容量 (共通) | 購入時価格 | 最大読み出し | 最大書き込み | スピードクラス (共通) |
Transcend 128GB | 3,680円 | 160MB/s | 125MB/s | UHS-I U3 V30 A2 |
Samsung 128GB | 2,599円 | 160MB/s | 120MB/s | UHS-I U3 V30 A2 |
SanDisk 128GB | 2,298円 | 200MB/s | 90MB/s | UHS-I U3 V30 A2 |
Kingston 128GB | 2,199円 | 170MB/s | 90MB/s | UHS-I U3 V30 A2 |
KLEVV 128GB | 1,405円 | 100MB/s | 80MB/s | UHS-I U3 V30 A2 |
SiliconPower 128GB | 1,251円 | 100MB/s | 80MB/s | UHS-I U3 V30 A2 |
計測はCrystalDiskMarkと3DMark Storage Benchmarkで比較しています。結論から先に言うとどれも大して変わらないようです。
ROG ALLY内蔵ストレージ
ROG ALLY内蔵ストレージの計測結果です。3DMark Storage Benchmarkは、Turboモードでのスコア。トータルスコアではなく、Load Battlefield VのAverage access time 133μsに注目してみる。数値が小さい方が優秀なはず。
ROG Strix Arion(外付けSSD)
参考としてROG Strix Arion(外付けSSD)の計測結果も追加しておきます。CrystalDiskMarkの結果はROG XG Mobileをハブとして計測。ROG ALLYに直接挿して計測した場合は1000MB/s以上出ます。今回の個体差があるのかROG Flow Z13 GZ301VVの時に借りていたROG XG Mobileよりも速度は出なかったです。
Average access time は、137μs。内蔵ストレージより4多いスコア。
TOSHIBA 64GB
もう1つ参考としていつ購入したか覚えていないTOSHIBA 64GB UHS-I U3のものも比較してみます。ビデオスピードクラスとアプリケーションパフォーマンスクラスの記載がないもの。書き込みは速くはないけど読み込みは規格通り。
Average access time は、131μs。内蔵ストレージより2少ないスコア。ゲームによって違いはあると思いますが、microSDカードは何でもいいのでは?説が浮上してしまった…このままでは企画倒れです。
Transcend 128GB
Transcendの品番:TS128GUSD340Sで計測。128GBでも実質容量は113GB。製品情報にある最大160MB/sといっても、UHS-I規格の最高転送速度104MB/s以上は出ないようです。
Average access time は、128μs。内蔵ストレージより5少なくスコア的には優秀。
Samsung 128GB
Samsung PRO Plusの128GB、実質容量は119GBあった。これも製品情報にある最大160MB/sといっても実測は100MB/s以下となる。
Average access time は、133μs。内蔵ストレージと同じスコア。
SanDisk 128GB
SanDisk Extreme PROの128GBも、実質容量は119GB。製品情報は最大200MB/sでも実測は100MB/s以下となる。
Average access time は、120μs。内蔵ストレージより13も少ない、一番優秀なスコアとなった。
Kingston 128GB
Kingston Canvas Go! Plusの128GBは、実質容量116GBでした。最大170MB/sの製品情報でもやはり100MB/s以上はでないようです。
Average access time は、121μs。内蔵ストレージより12少ないスコア。
KLEVV 128GB
KLEVV 型番:K128GUSD6U3-CAの128GB、実質容量は116GBでした。最大読込100MB/sで規格通り、最大書込80MB/sだがそこまでの速度はなく他メーカーと比較しても劣っています。
Average access time は、135μs。内蔵ストレージより2多いスコア。
SiliconPower 128GB
シリコンパワー 型番:SP128GBSTXDA2V20SPの128GB、実質容量は116GB。最大読込 100MB/s 書込 80MB/sの規格値に対し、読込は規格値通り、書込速度は一番出ていなかった。
Average access time は、131μs。内蔵ストレージより2少ないスコア。
32GB
わかりやすいスコアの変化はなかったため、UHS-I 40MB/sの32GBのものでも試してみました。書き込みは遅いけれど、記載してあった情報よりも読み込み速度は出ています。
Average access time は、131μs。内蔵ストレージより2少ないスコア。UHS-I規格のものであれば、何でも良さそうな気がしてきました。ただし、内臓ストレージからmicroSDカードにゲームデータを移動するときは、他よりも時間がかかります。
ベンチマーク比較
容量 | 購入時価格 | 起動時間 | Battlefield V | Call of Duty | Overwatch |
内臓ストレージ 512GB | ー | 44秒 | 133μs | 165μs | 107μs |
ROG Strix Arion 1TB(自作) | ー | 47秒 | 137μs | 167μs | 108μs |
Transcend 128GB | 3,680円 | 49秒 | 128μs | 158μs | 96μs |
Samsung 128GB | 2,599円 | 49秒 | 133μs | 166μs | 108μs |
SanDisk 128GB | 2,298円 | 52秒 | 120μs | 138μs | 82μs |
Kingston 128GB | 2,199円 | 49秒 | 121μs | 144μs | 82μs |
KLEVV 128GB | 1,405円 | 51秒 | 135μs | 146μs | 92μs |
SiliconPower 128GB | 1,251円 | 51秒 | 131μs | 145μs | 93μs |
TOSHIBA 64GB | ー | 56秒 | 131μs | 146μs | 94μs |
TOSHIBA 32GB | ー | 55秒 | 131μs | 150μs | 94μs |
起動時間は、再起動後に3DMarkを選択しホーム画面が出るまでの時間を計測。Armory Crateからの起動のためSteamの起動時間も含みます。また手動計測のため誤差を考慮してください。3DMark Storage BenchmarkのゲームLoadスコアはどれも大きな差はない感じです。計測するたびに数値が変わるため参考程度に。
結論はどれでもいい
テスト結果を見る限りでは、UHS-I規格のmicroSDカードであれば、どれでも問題なさそうな気がします。起動時間についても外付けSSDとUHS-IのmicroSDカードで大きくは変わらないため、より高速なUHS-IIの規格も必要なさそう。ただし、本体からmicroSDカードにゲームを移動するのは速度の影響は感じます。とは言え、頻繁に移動するような使い方をしなければ、そこまで気にはならないはず。
実際にSanDiskとSiliconPowerでサイバーパンクをしても本体動作とさほど変わらない気がする。SiliconPowerは少し遅いか?という感じはしたけど誤差の範囲かもしれない。ゲームによっては動作が異なるかもしれないし、microSDカードで起動して遅いようなら本体ストレージに移動すればいいし、負担にならない価格のmicroSDカードで試すのが良いかも。
今回試していないメーカーですが、512GBの大容量でも安いのをピックアップしました。レビューに上がっている速度を計測した画像を見た限りでは、性能的に問題なさそうな感じです。ただし実際に試したわけではないため、当たりハズレや耐久性の問題などは不明です。購入は自己責任でお願いします。
【追記】512GB JNH Promate購入
追加で購入したJNHのPromate。512GBの実質容量は477GB、起動時間51秒、UHS-I 規格の速度は十分出ています。サイバーパンクを試してみても問題なく、後は耐久性がどうかといったろころ。購入時の価格は4,380円に400円クーポンがあり、4,000円以下で買えました。今回試したトランセンドと400円しか違わないのに容量は約4倍、これは安いです。大容量の512GBはサンディスクとかでも4000円台で売られていました。他メーカーの方が良ければ探してみてください。
SSD換装は不要
ROG ALLYのストレージは、SSD 512GB搭載したモデルしかないため物足りないという人も多いかと思います。しかしmicroSDカードでいろいろ試しみると、これで十分という結果になりました。特別な使い方をするわけではないなら、SSD換装までしてストレージ拡張をする必要はなさそうです。
クラウドリカバリでのSSD換装方法
ベースの速度を改善したいなど、どうしてもSSD換装したい場合には保証対象外の自己責任となります。Windowsパソコンと同じようにやるか、クラウドリカバリという方法にも対応しています。
まとめ
ゲームデータは何度でもダウンロードできるし、大事なデータを保存するわけではないため、安いmicroSDカードでも十分な気がします。当たりハズレもあるし、耐久性も使ってみないとわからない。複数枚で管理してもいいので、必要に応じて追加するのでもよいかな。
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