ASUSの13インチモバイルノートPC「Zenbook S 13 OLED UX5304MA」のレビューです。インテル Core Ultra 7 プロセッサーを搭載し、ハイパフォーマンスながら電力効率が向上しているようだ。
※貸出機によるレビューです。記事内にはアフィリエイトリンクを含みます。
スペック
型番 | UX5304MA-I7321W |
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル Core Ultra 7 プロセッサー 155U |
メモリ | 32GB |
ストレージ | 1TB |
ディスプレイ | 13.3型 OLED (有機EL) グレア 2,880×1,800ドット (60Hz) タッチ非対応 |
Windows Hello | 顔認証対応 |
通信機能 | Wi-Fi 6E Bluetooth 5.3 |
キーボード | 84キー日本語キーボード (イルミネートキーボード) (JIS配列) |
サイズ (突起部除く) | 幅296.2mm×奥行き216.3mm×高さ10.9~11.8mm |
質量 | 約1.0kg |
付属品 | ASUS 65W USB Type-C アダプター USB Type-C to Type-C ケーブル 製品マニュアル 製品保証書 |
価格 | ASUS Zenbook S 13 OLED UX5304MA 239,800円 |
外観チェック
前モデルから大きな変化はなく、重さ約1.0kgを保ったまま性能は向上。付属するACアダプターは超小型化し持ち運びにも最適となった。プラグ部分は海外でも使えるように付け替えが可能だけれど、変換アダプターまでは付属していない。
アスペクト比16:10の2.8K有機ELディスプレイ。天板カラーはポンダーブルー、ASUSのロゴがラインで入っている。前モデルよりも手の汚れなどは付着しやすいかも。
スリムなデザインでもインターフェースは充実。左側面に、HDMI、Thunderbolt 4 (Type-C)×2。右側面に、マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック、USB3.2 (Type-A/Gen2)。ディスプレイを開くとキーボードが持ち上がるエルゴリフトヒンジを採用。
3段階の明るさ調整に対応した84キー日本語キーボードに、大きいタッチパッド。右側の一般的にはCtrlキーのところにCopilotキーが配置され、ワンタッチでAIアシスタントを起動できる。
ディスプレイの開閉角度は180度となっているが、持ち上がるヒンジのためフラットにまではならない。エアフローは背面ではなく、ヒンジの内側からディスプレイに向けて排気される。
底面にはダブルファンのところに吸気孔があるだけのシンプルなデザイン。両側面にあるスリットがスピーカーになっています。
ベンチマーク
Zenbook S 13 OLED Ultra 7 155U | Zenbook DUO Ultra 9 185H | |
Cinebench R23 | マルチ:8682 シングル:1728 | マルチ:13065 シングル:1706 |
Geekbench 6 | マルチ:9465 シングル:2329 OpenCL:17435 Vulkan:20417 | マルチ:13230 シングル:2387 OpenCL:32548 Vulkan:32573 |
PerformanceTest | 4607.4 | 6122.1 |
3DMark Time Spy | 2248 | 3778 |
3DMark Fire Strike | 5108 | 8298 |
3DMark Night Raid | 18641 | 26727 |
ファンモードはパフォーマンスで計測。Ultra 9 プロセッサー 185Hを搭載した「ASUS Zenbook DUO UX8406MA」と比較。
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ
ファンモード | パフォーマンス | スタンダード |
1920×1080 高品質 (デスクトップPC) | 4508 普通 | 4546 普通 |
1920×1080 標準品質 (ノートPC) | 7837 やや快適 | 7487 やや快適 |
設定を抑えれば軽いゲームなら遊べそう。
CrystalDiskMark
最大読み込み 5014.74MB/s、最大書き込み 2995.90MB/sという快適な速度。
バッテリーテスト
YouTubeを再生してバッテリーの減り方を計測。画面輝度をOLED設定50%でWindows設定100%、音量は50%に設定しています。ファンモードはスタンダード。
電池残量 | 消費率 | |
1時間 | 94% | 6% |
2時間 | 84% | 10% |
3時間 | 73% | 11% |
4時間 | 62% | 11% |
5時間 | 50% | 12% |
6時間 | 37% | 13% |
7時間 | 25% | 12% |
8時間 | 13% | 12% |
1時間で11~13%消費するようです。8時間30分ほどで電池残量6%になりアラートが表示されました。
前モデルZenbook S 13 OLED UX5304VAと比較すると、電力効率は良くなっているみたいです。同じ計測状況ではないけれど、動画再生では1時間程度伸びている。
急速充電時間
電池残量 | 回復率 | |
開始時 | 5% | 0% |
30分 | 48% | 43% |
1時間 | 85% | 37% |
1時間30分 | 97% | 12% |
付属している65Wの充電器で計測。
MyASUS
MySAUSのデバイス設定に便利機能がまとまっています。
バッテリーケアモード
バッテリーケアモードをオンにすると充電容量を80%までに制限してくれます。満充電を回避することでバッテリーの劣化を軽減してくれる機能。常時充電しながら使うときには設定しておくのが良さそう。
インスタントフル充電モードは、オンにすると100%まで充電してくれます。24時間後にはバッテリーケアモードが有効になるため、外出前などにオンにするなど併用して使えるのは便利。
ファンモード
- パフォーマンスモード:負荷の高い作業用
- スタンダードモード:通常作業用
- ウィスパーモード:静かな環境下での作業用
ファンモードは3種類。パフォーマンスモードを利用するときは、ACアダプタの接続が必要。MyASUSを開かなくても、Fnキー+Fキーを押した切り替えにも対応する。
ハイバネートヘルパー
バッテリーを節約するため、設定した期間中に電力の使用が多い場合、システムを休止状態へ移行させます。
GPUに割り当てられたメモリ
GPUに割り当てるメモリを最大8GBまで設定することができます。初期設定は自動になっているため特別な理由がなければそのままで。
AIノイズキャンセリングマイク
録画用と会議用で、指向性と全方位の2種類ずつAIノイズキャンセリングが用意されている。オーセンテック録音にするとOFF。
AIノイズキャンセリングスピーカー
相手の声が聞き取りにくい時には、AIノイズキャンセリングスピーカーをオンにしておくことで、声以外のノイズを除去してくれる。
サウンドモード
- ダイナミック
- ゲーム
- 映画
- ミュージック
- 音声
- カスタム1
- カスタム2
- カスタム3
サウンドモードのカスタマイズで、ドルビーアトモスの設定を開かなくてもここで切り替えができる。
ボリュームブースター
歪みを抑えてより大きな音を出すことができる機能。
ASUS OLED Care
ASUS OLED Careには、OLEDディスプレイを保護し、ディスプレイの寿命を最大限に延ばすことが証明されている一連の最適化設定が含まれています。
通知:同じ画像を高輝度で長時間表示することは避けてください、有機ELディスプレイに焼き付けが発生する可能性があります。
※焼き付きが発生した場合は保証の対象外となります。最適化設定をしっかり確認しておくように。
ピクセルリフレッシュ
30分間アイドル状態になったら、特別なスクリーンセーバーを起動します。このスクリーンセーバーは、画面のピクセルを更新し、画質を最適化します。
デスクトップモードで、Windowsタスクバーを自動的に非表示にする
静止画像が継続的に表示されないように、使用していないときはデスクトップモードで、Windowsタスクバーを自動的に非表示にします。
Windowsタスクバー透明効果
Windowsタスクバーの半透明効果を有効にします。
OLEDフリッカーフリーディミング
低輝度時の有機EL(OLED)のちらつきを抑えるために、OLEDフリッカーフリーDCディミング技術を使用してディスプレイの輝度を調整します。
目の保護をしながら高精細な映像を楽しむために、Windowsの設定でシステムの輝度を60%以上に設定し、OLEDフリッカーフリーディミングのスライダーバーで最適なレベルに調整してください。
Splendid
ガンマ補正と色温度補正により画面の色を最適化します。通常、ビビッド、手動、ブルーライト軽減のほか、色域を4種類から選択可能。
- ネイティブ – デフォルト ビビッドカラー
- sRGB – ウェブコンテンツ スタンダードカラー
- DCI-P3 – シネマ スタンダードカラー
- Display P3 – より広いリアルな色域
Tru2Life
ハイエンドテレビに類似した独自のビデオエンハンスメントテクノロジーです。インテリジェントなソフトウェアアルゴリズムにより、すべてのビデオフレームのコントラストと鮮明度を最適化し、動画をより鮮明に、より詳細に、よりリアルに表示します。
ターゲットモード
非アクティブなエリアを減光させ省電力化をできる機能。
タッチパッド
タッチパッドの入力を無効にする。F6キーでも切り換えられる。
ファンクションキー
1~F12のファンクションキーには、特定のショートカット機能が割り当てられています。初期設定で「ロックされたファンクションキー」になっているので、ホットキーをあまり使わないなら「通常のファンクションキー」に切り替えられる。Fnキーを押しながらファンクションキーでも操作できます。
- F1:ミュート
- F2:音量ダウン
- F3:音量アップ
- F4:画面輝度を下げる
- F5:画面輝度を上げる
- F6:タッチパッドの無効化
- F7:バックライトの明るさ調整
- F8:スクリーン操作
- F9:マイクをオフにするプライバシーモード
- F10:カメラをオフにするプライバシーモード
- F11:Snipping Toolの起動
- F12:MyASUS起動
マイクとカメラはオフになっているときに、キーのLEDランプが点灯するようになっています。
自動キーボードバックライト
内臓のアンビエントライトセンサーにより、現在の明るさに応じてキーボードバックライトを自動点灯/自動消灯する機能。ただし、バックライトを自身で点灯させたり、明るさを調整すると機能しなくなる。バックライトをオフにすると再び機能します。
GlideXとIntel Unisonの画面拡張
ASUSの「GlideX」と「Intel Unison」という2つのアプリが搭載されています。どちらも画面拡張機能があるため、デュアルスクリーンで作業するにはどちらが良いか試してみました。拡張に使用したのはAndroidタブレットOPPO Pad 2です。
- GlideX:2800×2000(調整可能)
- Intel Unison:1920×1368(固定)
どちらも簡単に画面拡張ができましたが、解像度に違いがあり比較してしまうとGlideXの方が優秀。その他の機能的にもIntel Unisonをあえて使う必要はないといったところ。
約1.0kgの本体+500g程度のタブレットなら楽に持ち運べるので、出先でも作業効率を上げられそうです。ただし同じワイヤレス環境が必要なのと、5GHzの接続が推奨される。フリーWi-Fiでは制限があり使えないこともあります。
使ってみて思ったのが画面拡張できると作業効率は向上するけど、タブレットを置くための作業スペースを余分に確保しなければならないのはデメリット。あらためて、外出先でも幅を取らない縦2画面デバイスZenbook DUO UX8406MAはやっぱり便利なんだと再認識した。
Zenbook S 13 OLED UX5304シリーズ
記事作成時には公式のASUS Storeでは在庫切れ。Amazonや楽天市場など違う販路なら購入できそうです。もしくは、Core Ultraにこだわりがなければ、セール中で割引クーポンを適用できるZenbook S 13 OLED UX5304シリーズ の他製品を検討してみるのも良いと思う。
まとめ
前モデルから薄型軽量のデザインを維持したまま、インテル Core Ultra 7 プロセッサーを搭載しパフォーマンス向上と電力効率も良くなった。さらにACアダプターまでコンパクトになり持ち運びも快適な13インチモバイルノートPCです。
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