ASUSの薄型軽量モバイルノートPC「Zenbook S 13 OLED UX5304VA」のレビューです。スリムでもタフなボディに、16:10の2.8K有機ELディスプレイを搭載している。
スペック
型番 | UX5304VA-NQI7WS |
CPU | インテル Core i7-1355U プロセッサー |
メモリ 標準/最大 | LPDDR5-6400 16GB / 16GB |
ストレージ | SSD 512GB (PCI Express 4.0 x4 接続) |
グラフィックス機能 | インテル Iris Xe グラフィックス(CPU 内臓) |
ディスプレイ | 13.3 型 OLED (有機 EL) 16:10 グレア 2,880×1,800 ドット タッチ非対応 |
通信機能 | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi 6E) Bluetooth® 5.1 |
インターフェース | HDMI×1 Thunderbolt 4 (Type-C) ×2 USB3.2 (Type-A/Gen2)×1 |
Webカメラ | 207 万画素赤外線(IR)カメラ内蔵 |
Windows Hello | 顔認識対応 |
OS | Windows 11 Home 64 ビット |
サイズ(突起部除く) | 幅 296.2mm×奥行き 216.3mm×高さ 10.9~12.3mm |
質量 | 約1kg |
価格を抑えたCore i5-1335U搭載モデルもあります。
外観
天板にはプラズマ電解酸化処理というコーティング技術が使われていて、手触りが良く耐摩耗性や腐食防止といった効果もあるようです。日本向けのモデルはバサルトグレーのみで、ラインのデザインでASUSのロゴが記されている。
底面はシンプルなデザイン。左右に配置されたスリットがダブルファンの吸気孔になっている。左右の側面にあるライン状の切込みがスピーカーという珍しい形。Harman Kardonの認証も受けたDolby Atmosステレオサウンドシステムを搭載し、音質は良くボリュームブースターにも対応する。
横から見るとかなり薄型なのがわかる。一番厚みのある所でも12.3mm、薄いところが10.9mmという約1cmの薄型軽量設計。左側面の端子は、HDMI、Thunderbolt 4 (Type-C)が2つあり、どちらも映像出力と充電に対応する。
右側面には、マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック、USB3.2 (Type-A/Gen2)。ディスプレイを開くとキーボードが持ち上がるエルゴリフトヒンジを採用している。
180°開く仕様の13.3型2.8K有機ELディスプレイ。アスペクト比は16:10と縦に広く使いやすい。上部のカメラ部分には、赤外線カメラ、アンビエント・ライトセンサー、RGB光センサーも搭載している。
キーボードのバックライトは、周囲の明るさに応じて自動点灯/消灯の設定もMyASUSからできます。キーボードの配置は、電源ボタンは内側に配置されていたり、エンター付近などは少し窮屈な感じ。打鍵感も少し硬めなため、慣れは必要かもしれない。
付属しているのは、冊子類と65WのACアダプター。コンセントに差し込む部分は折りたためないけれど、比較的コンパクトで持ち運びも苦にならないタイプ。パッケージの一部はスタンドとしても使えるような設計になっているようで。
パッケージには、プラスティックを一切使わない100%リサイクル可能なデザインになっています。冊子類が入っていたところのQRコードは、ARエフェクトにも対応している。
ARエフェクト
QRコードを読み込むとInstagramのARエフェクトが起動します。ガイドラインが表示されますがそれに合わせるのではなく、より近づけるとASUSのロゴが表示され開始する。ただし、ここからが難しくどうやるのが正解かわからない…
成功した場合は、木が生えてきて上昇し、パッケージが開くアニメーションの後に「Manufacturing with a difference Upcycling 100% recyclable reusable and compos packaging」の文字が表示された。翻訳すると「アップサイクル 100%リサイクル可能な再利用可能なコンポジットパッケージを使用しています」とのこと。エフェクトはこれだけで、おまけみたいなものです。
ASUSでは環境に配慮した製品作りをしているようで本社ツアーでも体験してきました。
ベンチマーク
Cinebench R23
ファンモードは、パフォーマンスモードで計測。
PCMark 10
ファンモードは、パフォーマンスモードで計測。
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ
ファンモード | パフォーマンス | スタンダード |
1920×1080 高品質 (デスクトップPC) | 4450 普通 | 3929 設定変更を推奨 |
1920×1080 標準品質 (ノートPC) | 7069 やや快適 | 6205 やや快適 |
CrystalDiskMark
シーケンシャルリードは6442MB/s、ライトは3251MB/s、という高速な結果がでた。
バッテリーテスト
初期値(画面輝度76、音量67)のままYouTubeの動画を再生してバッテリーの減り方を計測しました。ストリーミングの動画再生であれば、1時間で13%ほど消費するようです。
残量 | 減少値 | 減少差 | |
1時間 | 92% | 8% | 8% |
2時間 | 79% | 21% | 13% |
3時間 | 66% | 34% | 13% |
4時間 | 53% | 47% | 13% |
5時間 | 39% | 61% | 14% |
6時間 | 26% | 74% | 13% |
20%を切るとバッテリー節約機能がオンになったため計測終了。充電は、19%から1時間で88%になり、69%の回復を確認。
ExpertBook B9と比較
普段使っている14インチの軽量モバイルノートExpertBook B9と比較してみました。
画面比率が16:10だと13インチでも作業スペースは広く感じます。その広さのせいもあり重さでは少し負けてしまっている。ExpertBook B9は約995g。
厚みは普通に置いたときにはほんの少し低い程度にしか見えないが、裏返すと違いは明らか。かなりスリム化されているようです。
ExpertBook B9も優秀なモデルのため買い換えたいかとまではいかないけれど、比率の良い作業スペースと画面の鮮やかさ、スリムになったサイズ感やデザイン性など魅力的ではある。
モバイルノートPCのため持ち運んだ時に画面の反射は気になるところですが、有機ELの機能性についても知っておくと良さそうです。
特別な機能
MyASUSを開くと、そこからいろいろな機能の管理ができます。
- バッテリーケアモード
- ファンモード
- AIノイズキャンセリング
- AIノイズキャンセリングスピーカー
- サウンドモード
- ボリュームブースター
- ASUS OLED Care
- OLEDフリッカーフリーディミング
- Splendid
- Tru2Life
- ターゲットモード
- ASUS AiSence カメラ
- ファンクションキーロック
- 自動キーボードバックライト
有機ELモデルにしかない機能もあり、ディスプレイの寿命を延ばすASUS OLED Careの設定や、ちらつきを抑えるOLEDフリッカーフリーディミングなどは確認しておくこと。
ファンクションキーには特別な機能が割り当てられています。F9とF10を押すとマイクやカメラをオフにでき、それぞれのキーがLEDインジケーターで確認しやすくなっている。ScreenXpertを使っているときには、画面左下に表示されているコントロールセンターでも操作できます。
MyASUSについては別記事でまとめているので参考に。
購入先
ASUS Store公式サイトでは、Core i5-1335Uモデルで159,800円。Core i7-1355Uモデルだと229,800円となり、その差7万円も高くなります。価格差が大きすぎるため、Core i5-1335Uモデルを選択するのがよさそうです。
Office搭載モデルでも、Core i5-1335Uモデルだと2万円、Core i7-1355Uだと3万円の差額となっていて、価格設定が少しおかしいような気もします。
どうしてもCore i7-1355Uモデルの方が良いなら、なぜかAmazonだと2万円以上安く買えます。ただし価格は変動すると思うので、その都度ご自身で確認してください。
まとめ
厚みが約1cmでも耐久性に優れた薄型軽量のモバイルノート。2.8K有機ELディスプレイで16:10の広い作業場というのも魅力です。レビューしたモデルはCore i7-1355Uモデルですが、価格を抑えたCore i5-1335Uモデルでも十分な気がします。
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