
ROG Xbox AllyとROG Xbox Ally Xではどう違うのか、購入を検討している向けに比較してみました。性能の違いや、バッテリー駆動時間など参考にしてください。
※貸出機のレビューです。記事内にはアフィリエイトリンクも含みます。
スペック
| 型番 | RC73XA-Z2E24G1T (ROG Xbox Ally X) | RC73YA-Z2A16G512 (ROG Xbox Ally) |
| 本体カラー | ブラック | ホワイト |
| OS | Windows 11 Home 64ビット | |
| CPU | AMD Ryzen AI Z2 Extreme 8コア/16スレッド 最大5.0GHz/3次キャッシュ16MB Ryzen AI NPU(最大50TOPS) | AMD Ryzen Z2A 4コア/8スレッド 最大3.8GHz/3次キャッシュ4MB |
| GPU | AMD Radeon グラフィックス (CPU内蔵) メインメモリ共有型 | |
| メモリ 標準/最大 | 24GB/24GB (LPDDR5X 8000Mhz) | 16GB/16GB (LPDDR5X 6400Mhz) |
| ディスプレイ | 7.0型ワイドTFTカラー液晶 グレア 1,920×1,080(120Hz) タッチ対応 | |
| SSD | 1TB (PCIe 4.0 x4 NVMe/M.2) | 512GB (PCIe 4.0 x4 NVMe/M.2) |
| Windows Hello | 指紋認証対応 | |
| センサ | 加速度センサ、ジャイロセンサ | |
| Wi-Fi | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (Wi-Fi 6E) | |
| Bluetooth | 5.4 | |
| インターフェース | USB4 (Type-C/PD) ×1 USB3.2 (Type-C/Gen2/PD) ×1 microSDカードリーダー マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック×1 | USB3.2 (Type-C/Gen2/PD) ×2 microSDカードリーダー マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック×1 |
| サイズ (突起部除く) | 幅290.0mm×奥行121.0mm×高さ27.5~50.9mm | |
| 質量 | 約715g | 約670g |
| バッテリー容量 | 80Wh | 60Wh |
| 価格 | 139,800円 | 89,800円 |
外観チェック


白い方が「ROG Xbox Ally」で、黒い方が上位モデルの「ROG Xbox Ally X」になります。カラーが違うだけで形は一緒、上位モデルの方はバッテリー容量が多いため約45gほど重くなっている。付属品は、冊子類と、65WのACアダプターだけで特別な違いはなかった。


画面サイズは7インチで、最大解像度は1,920×1,080(120Hz)と共通です。初代モデルも7インチでしたが、グリップ部分が強化されているため少し大きく見えます。背面には、M1/M2ボタンがグリップを邪魔しないように配置されていました。


上部は、左右にバンパーとトリガーボタン、通気孔×3、指紋認証対応の電源ボタン、マイクロホン/ヘッドホン・コンボジャック、音量調節ボタン、microSDカードリーダー、USB Type-C×2。下側には何もないです。


USB Type-Cの規格だけ違いがあり、ROG Xbox Allyでは、USB3.2 (Type-C/Gen2/Power Delivery対応)×2。ROG Xbox Ally Xでは、USB3.2 (Type-C/Gen2/Power Delivery対応)と、USB4 (Type-C/Power Delivery対応)になっています。外観の違いは、カラー以外だとこれぐらいです。


左側に、左スティック、方向ボタン、Xboxボタン、コマンドセンターボタン、表示ボタン。右側に、ライブラリボタン、メニューボタン、ABXYボタン右スティック。左右下側のスリットがスピーカーになっていて音質はかなり良いです。


左右から見ると、Xboxコントローラーの概念を採用した特徴的なグリップが見て取れる。トリガーを自然に包み込み、負荷が掛かりにくい角度で長時間のプレイも快適になっています。
Armoury Crate SEの使い方
Armoury Crate SEの機能について別記事でまとめてあります。それとGaming Copilot機能が面白かったので参考にしてください。
解像度の初期設定

ディスプレイの性能的に表示できる解像度は、どちらも1,920×1,080と変わらないのですが、白い方のROG Xbox Allyでは初期の表示設定が720pになっています。処理性能は黒い方のROG Xbox Ally Xほど高いわけではないため、解像度を落として負担を少なくしているのだと考えられます。これはコマンドセンターにある解像度のタイルをタップするだけで、すぐに1080pと同じにできるのですが、あえてこのままベンチマークやバッテリーテストなどの検証を行いました。
ベンチマーク
ROG Xbox Allyでは、3DMarkが一部動作しにくかったため、Geekbench 6にて計測しています。
Geekbench 6
| ROG Xbox Ally X 解像度:1080p | ROG Xbox Ally 解像度:720p | |||||
| Turbo 35W(AC) | Turbo 25W(DC) | パフォーマンス 17W(DC) | Turbo 20W(AC) | Turbo 20W(DC) | パフォーマンス 15W(DC) | |
| シングル | 1182 | 1169 | 1145 | 1422 | 1357 | 1343 |
| マルチ | 6694 | 7322 | 7298 | 4882 | 4846 | 4589 |
| Vulkan | 43127 | 39936 | 36817 | 20478 | 20892 | 18772 |
オペレーティングモードは、ACアダプターを接続したTurboとバッテリー駆動のTurboとパフォーマンスでそれぞれ計測した結果です。ROG Xbox Ally XのAC駆動では、マルチのスコアが伸びなかったが、これはAI制御によるものだろうか。
ファイナルファンタジーXV
| 標準品質 | ROG Xbox Ally X 解像度:1080p | ROG Xbox Ally 解像度:720p |
| 1280×720 | 7641 快適 | 4314 普通 |
| 1920×1080 | 4712 やや快適 | 2689 やや重い |
オペレーティングモードは、それぞれTurbo(AC)で計測。
モンスターハンターワイルズ
| 1280×720 プリセット:最低 | ROG Xbox Ally X 解像度:1080p | ROG Xbox Ally 解像度:720p |
| フレーム生成:OFF | 快適にプレイできます スコア:16967 平均 49.80 FPS | 設定変更を推奨します スコア:8657 平均 25.37 FPS |
| フレーム生成:ON | 快適にプレイできます スコア:14520 平均 84.72 FPS | 設定変更が必要です スコア:6868 平均 40.16 FPS |
オペレーティングモードは、それぞれTurbo(AC)で計測。
Cyberpunk 2077


オペレーティングモードは、それぞれTurbo(AC)で計測。プリセットはSteam Deck、解像度も違うのにROG Xbox Ally Xのパフォーマンスは高いです。
CrystalDiskMark


SSDの速度は、1枚目がROG Xbox Ally X、2枚目がROG Xbox Ally の結果です。
バッテリーテスト
YouTubeの再生やXboxクラウドゲーム、インストールしたゲームの駆動時間を検証しました。
オンラインの駆動時間検証
YouTube動画を2160p60(4K)、画面輝度100%、音量0の条件で再生した場合と、Xboxクラウドゲーム(タイトル:メタファー:リファンタジオ)をプレイした場合のバッテリー持続時間を検証しました。オペレーティングモードはともにサイレントに設定し、解像度は初期値のままです。クラウドゲーム時は画面輝度・音量を50~60%に調整しました。
| ROG Xbox Ally X バッテリー容量:80Wh 解像度:1080p サイレント:13W | ROG Xbox Ally バッテリー容量:60Wh 解像度:720p サイレント:6W | |||
| 検証内容 | YouTube | クラウドゲーム | YouTube | クラウドゲーム |
| 1時間 | 96% | 94% | 91% | 89% |
| 2時間 | 87% | 87% | 78% | 73% |
| 3時間 | 78% | 79% | 64% | 57% |
| 4時間 | 67% | 72% | 50% | 41% |
| 5時間 | 56% | 64% | 35% | 25% |
| 6時間 | 45% | 56% | 21% | 7% |
| 7時間 | 34% | 48% | 8% | ー |
| 8時間 | 22% | 39% | ー | ー |
| 9時間 | 11% | 31% | ー | ー |
| 10時間 | ー | 23% | ー | ー |
| 11時間 | ー | 14% | ー | ー |
| 12時間 | ー | 6% | ー | ー |
一般的には、映像ストリーミング+通信処理を伴うクラウドゲームの方がYouTube再生より電力消費が多い傾向にあるため、右側のROG Xbox Allyのような結果になります。これに対して、ROG Xbox Ally Xでは逆にクラウドゲームの方がより長時間プレイ可能で、駆動時間は12時間を超えるという非常に興味深い結果が得られました。
この差は、ROG Xbox Ally Xに搭載されたAI処理専用NPUを内蔵するAMD Ryzen AI Z2 Extremeチップセットの効果によるものとみられます。AIによる高度な電力制御により、効率的な電力管理と省電力化が実現し、一般的な傾向を逆転させたようです。
インストールしたゲームの駆動時間検証


負荷の高い「ホグワーツ・レガシー」と負荷の低い「メタファー:リファンタジオ」の2つのゲームバッテリー消費を比較しました。画像はホグワーツ・レガシーのプリセットです。解像度もそれぞれ違いがあり、初期設定のまま。メタファー:リファンタジオは設定は同じで解像度だけ違います。画面輝度と音量は50%に固定して検証しています。
| ROG Xbox Ally X バッテリー容量:80Wh 解像度:1080p | ROG Xbox Ally バッテリー容量:60Wh 解像度:720p | |||
| オペレーティングモード | ホグワーツ・レガシー Turbo:25W | メタファー:リファンタジオ サイレント:13W | ホグワーツ・レガシー Turbo:20W | メタファー:リファンタジオ パフォーマンス:15W |
| 1時間 | 55% | 79% | 50% | 60% |
| 2時間 | 1時間59分 | 53% | 1時間47分 | 16% |
| 3時間 | ー | 24% | ー | 2時間18分 |
| ー | ー | 3時間46分 | ー | ー |
ホグワーツ・レガシーは初期設定状態で、それぞれ2時間弱の駆動時間でした。メタファー:リファンタジオは、ROG Xbox Ally Xだとサイレントでも問題なくプレイできています。ROG Xbox Allyの方では、サイレントだと快適動作はしなかったので、この違いも大きいですね。
ROG Xbox Ally Xでメタファー:リファンタジオは、パフォーマンス(17W)だと2時間55分でした。
急速充電時間
| Ally X 80Wh | Ally 60Wh | |
| 開始時 | 5% | 5% |
| 15分 | 23 % | 30% |
| 30分 | 41% | 55% |
| 1時間 | 58% | 77% |
| 1時間25分 | 76% | 92% |
| 1時間30分 | 90% | 97% |
| 1時間45分 | 97% | 100% |
| 2時間 | 99% | ー |
5%まで減らした状態から、付属の65W充電器で計測しました。
リコール機能

黒い方の上位モデルROG Xbox Ally Xは、「Copilot+PC」の条件を満たしている高性能AI対応ポータブルPCになります。そのためリコール機能にも対応し、ユーザーが表示した内容をスナップショットで保存して履歴を検索できます。ただし、ゲーム内容まで保存されるわけではありません。ゲームを起動した時の画面が履歴として残るだけなので、ポータブルデバイスとしてはほぼ必要ない。ストレージを圧迫するため、有効化した後でもオフにしておくことを推奨します。
まとめ
購入を検討していてどちらが良いか悩んでいるなら、上位モデルの黒い方「ROG Xbox Ally X」にしておけば後悔はしないと断言できます。白い方の「ROG Xbox Ally」は軽さが魅力だけれど、ストレージ容量やバッテリー駆動時間など使っていて物足りなくなるはず。5万円の価格差があるのは悩ましいけれど、全く別物と思っていいぐらいでした。







































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