LenovoのゲーミングPC最上位モデル「Legion Pro 7i Gen 8」のレビューです。Tobiiという機能を搭載し、頭の動きでゲーム内の視線を変えられたりします。
※製品貸出によりレビューをしています。記事内にはアフィリエイトリンクも含みます。
スペック
製品番号 | 82WQ0034JP |
OS | Windows 11 Home 64bit |
CPU | インテル Core i9-13900HX プロセッサー |
GPU | NVIDIA GeForce RTX 4080 Laptop GPU 12GB GDDR6 |
メインメモリ | 32GB (16GBx2) |
SSD | 1TB (PCIe NVMe/M.2) |
本体寸法 (W×D×H) | 約 363.4×262.2×22~25.9mm |
本体質量 | 約 2.8kg |
価格 | 399,850円 |
レビューしている製品は、納期が速い性能固定した82WQ0034JPモデル。公式サイトではカスタマイズモデルもあり、より上位のアドバンス(RTX4090)も選べます。
外観チェック
天板カラーはオニキスグレー。LEGIONのロゴは光るギミックとかはないタイプ。底面には通気用のスリットがあり、両サイドと背面に排気するエアフロー。
リフレッシュレート240Hzの16型IPS液晶ディスプレイ。180度開くフラットタイプで、アスペクト比は16:10と広く、ベゼル幅は狭いため没入感は高い。キーボードは日本語配列。ライティングは前側にもライトバーが配置され光る仕様。
左側面に、排気口、USB 3.2 Gen1、Thunderbolt™4 ポート、スピーカー。右側面にスピーカー、マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック、電子式プライバシーシャッター、USB 3.2 Gen1、排気口。
背面に、イーサネット・コネクター(RJ-45)、USB 3.2 Gen2 Type-C、HDMI、USB 3.2 Gen1×2、電源コネクタ。ACアダプターは330Wで、コードを含めた重さを計測してみると、991.1gあった。
ベンチマーク
サーマルモードを変更したパフォーマンスの違いを計測。GPU動作モードはハイブリッド。
Cinebench R23
パフォーマンス | バランス | 静音 | |
マルチコア | 27068 | 21296 | 15906 |
シングルコア | 2080 | 1880 | 2022 |
3DMark
パフォーマンス | バランス | 静音 | |
Speed Way | 4709 | 3754 | 2978 |
Time Spy | 18410 | 11096 | 10012 |
Fire Strike Extreme | 20080 | 13354 | 12935 |
Solar Bay | 87210 | 69657 | 20728 |
ファイナルファンタジーXV
標準品質 | 高品質 | |
1920×1080 | 18450 非常に快適 | 15725 非常に快適 |
3840×2160 | 8842 快適 | 7253 快適 |
サーマルモードはパフォーマンスのみで、設定を変えて計測。
CrystalDiskMark
本体SSDの速度は快適。USB Type-CとUSB Type-Aの速度も計測してみると規格通り。
ゲームのロード時間
シーン1: 000.710sec
シーン2: 002.472sec
シーン3: 002.045sec
シーン4: 001.364sec
シーン5: 001.146sec
シーン6: 001.082sec
シーン7: 001.024sec
合計: 009.842sec
FORSPOKENのベンチマークにてゲームのロード時間を計測。
DLSS比較
DLSSオフ | DLSSオン | |
サイバーパンク2077 | 44.16 | 76.13 |
F1® 22 | 87 | 122 |
HITMAN 3 | 56.69 | 96.73 |
解像度は2560×1600で計測。DLSSフレーム生成(DLSS 3)のオンオフを切り替えて、フレームレートがどのくらい変わるか比較しています。プリセットや設定はそれぞれ高め。
- サイバーパンク2077:レイトレーシング:オーバードライブ
- F1® 22:超高
- HITMAN 3:初期設定からレイトレーシングをすべてオン
AI画像生成速度
AI画像生成ができる「Stable Diffusion web UI」にて、画像1枚の生成速度はどれくらいか調べてみました。サイズは512×512と1536×1024、Sampling methodやSampling Stepsによって生成速度が変わるので参考に。サーマルモードはパフォーマンスで実行しています。
512×512 | Sampling Steps 20 | Sampling Steps 40 |
Sampling method DPM++ 2M Karras | 4.5秒 | 7.4秒 |
Sampling method DPM++ 2S a Karras | 7.2秒 | 13.5秒 |
1536×1024 | Sampling Steps 20 | Sampling Steps 40 |
Sampling method DPM++ 2M Karras | 33.9秒 | 1分5秒 |
Sampling method DPM++ 2S a Karras | 1分3秒 | 2分6秒 |
アニメーション生成
AnimateDiffのアニメーション生成時間も調べました。初期設定のまま16枚2秒の動画です。
512×512 | Sampling Steps 20 | Sampling Steps 40 |
Sampling method DPM++ 2M Karras | 47秒 | 1分16秒 |
Sampling method DPM++ 2S a Karras | 1分14秒 | 2分21秒 |
バッテリーテスト
サーマルモードはバランス、明るさと音量の設定は、画面輝度76、音量67の初期値でYouTubeを再生してバッテリーの減り方を計測しました。ストリーミングの動画再生だと、1時間で24%~27%ほど消費するようです。
残量 | 減少値 | 減少差 | |
1時間 | 76% | 24% | 24% |
2時間 | 49% | 51% | 27% |
3時間 | 24% | 76% | 25% |
充電速度については、通常は1時間で25%から98%まで回復。Lenovo Vantageにて急速充電を有効にすると、30分で25%から90%まで回復しました。速く充電したいときには便利な機能です。
Lenovo Vantage
ユーティリティソフト「Lenovo Vantage」にいろいろな便利機能が搭載されています。CPU・GPU ・SSDの使用状況、システムツール、右側にはサーマルモードやGPU動作モードの変更、下にスクロールするとライティング設定などがある。
サーマル・モード
右側のサーマル・モードからファンのモードを変更できます。これにはショートカット機能もありFn+Qキーでも簡単に切り替えられる。初期設定はバランス・モード、AIが自動的にゲームプレイを検出しパフォーマンス調整してくれる機能をもあります。一番下のカスタマイズ・モードでは、かなり柔軟な調整にも対応する。
GPU動作モード
GPU動作モードも右側にある。初期設定では、内蔵型と専用の両方のグラフィックス・カードを有効化するハイブリッド・モード。内臓型や専用だけにしたり、充電している環境により自動で切り替えるHybrid 自動モードもある。モードの切り替えには再起動が必要になります。今回ベンチマークの計測時は、すべてハイブリッド・モードで行いました。
ライティング
スクロールした右側にライティングのカスタマイズがあります。エフェクト効果は、レインボー・パルス・ウェーブ、雨、リップルなどなど複数用意されていて、プロファイルを6つ保存できます。プロファイルの切り替えはFN+Spaceキーでも切り換えられる。
Fnキーを押すとショートカットが割り当てられているところだけ光るのも便利なところ。Fn+Qキーでファンモードの変更、Fn+Rキーでリフレッシュレートの変更などが割り当てられていて認識しやすくなっている。電源ボタンの色で現在のファンモードを確認することもできます。
- 赤:パフォーマンスモード
- 白:バランスモード
- 青:静音モード
システムツール
- システムアップデート
- マクロ・キー
- 電源
- Legion Arena
- メディア
- ハードウェア・スキャン
- Nahimic
- X-Rite Color Assistant
- Tobii
システムツールに9項目あり、中でも電源とNahimicは確認しておくと良いです。
電源
バッテリーの状態を確認できたり、急速充電のオンオフ、バッテリーの寿命を延ばすための夜間バッテリー充電モードや75~80%までしか充電しない保全モードなどの設定がある。電源をつないで使うことが多いなら保全モードを有効にしておくと良い。その下には開いてスタートという項目もあり、有効にしておくと蓋を開いただけで電源がつくという便利な機能。だいたい45度くらい開くと電源が入る仕組みのようです。
Nahimic
Nahimicはサウンド管理ツール。バーチャルサラウンド技術や高性能音質など、好みのカスタマイズができる。その他にもサイドバーには特徴的に機能が並んでいます。
Easy Surroundは、Bluetoothスピーカーを接続し、後ろから音を出すことができる面白い機能。セットアップするとボリュームやディレイで音のズレを調整できます。サイバーパンクで試してみたところ、バイクのエンジン音が後ろから聞こえるようになったりしました。臨場感が増すとは一概には言えないけれど、スピーカーの性能やゲームによって体感は違うかもしれない。
サウンドトラッカーは、音の出ている方向を視覚的に認識できる機能。ゲームが対応している必要があります。
その他にも、Sound Sharingは、2つのヘッドフォンを接続して同じ音声コンテンツを視聴できる機能。ストリーミングは複数あるコンテンツの音量を調整できるようです。
Tobii Horizon
Tobii Horizonは頭の動きで操作できる機能。Lenovo Vantageのシステムツール内にあるTobiiから起動できます。右上の設定からオンオフ、ここで有効化できないときは、キーボードの右側にあるプライバシーシャッターがオフになっているか確認すること。
Tobiiセンサーが有効になるとカメラの隣にあるLEDライトが点灯します。使用時には付きっぱなしのため、少し気になるかも。
「Microsoft Flight Simulator」で試してみると、頭の動きだけで窓の外を眺めたり後方まで視界を移すことができました。あまり動かしすぎると酔いそうですが、なかなか面白い体験ができます。少しの動作で動くためVRよりも敏感。ただ対応しているゲームは少ないめ、ゲーム以外の方が実用性は高いかもしれない。
インテリジェントビデオ会議のプレゼンベースのプライバシーでは、ビデオ会議で離席したときに設定している画像を表示して周囲から見えないようにする。注意のハイライトでは、画面の正面から頭をずらすと暗くする機能。
プライバシーとセキュリティでは、ユーザーが離れると画面を不鮮明にしたり、のぞき見を検知したら画面をぼやかしたり、自動でロックしたりもできます。
生産性では、ユーザーがいなくなると画面を暗くしたり、逆に前にいるときは起動状態を維持したりする。ウィンドウスナップは、ウィンドウを分割の配置に移動できたりする。マルチスクリーンを使っているときには、マウスポインタを移動することもできるみたい。
デジタル幸福は、画面の前にいた時間や最後に休憩をとった時間、画面までの距離などを表示してくれる。
キーキャップ・キット
交換用セラミックキーキャップ(WASD)ツールキットが付属しています。触り心地が変わるため好みで変えられる。キーキャップの外し方は、上部から工具を差し込みキーを抑えながら左右をそれぞれ持ち上げて外します。動画を見つけたのでこれを見た方がわかりやすいです。
購入先
- レビューした製品番号: 82WQ0034JP
- アドバンス(RTX4080)製品番号: 82WQCTO1WWJP2
- アドバンス(RTX4090)製品番号: 82WQCTO1WWJP3
Lenovo公式オンラインストアのゲーミングPCのセール情報もチェックしてみてください。
まとめ
スペックを見ればかなりの高性能というのは分かるけれど、ソフトウェア的にも便利な機能がたくさんある面白いゲーミングPCでした。ただゲームでヘッドトラッキングを使うかというと、そこまで多様するものでもない思います。個人的には、開くだけで電源が入る機能やEasy Surroundのサブスピーカーを接続できるのは刺さりましたね。
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