フォーマットしてしまった外付けハードディスクに、復元ソフト「EaseUS Data Recovery Wizard」で復旧できるか試してみた。画像や動画データの復元には期待できるぞ。
回復ドライブにしてしまったハードディスクの復元
以前Windows 10を再インストールするために、外付けハードディスクを回復ドライブにしてしまったことがある。回復ドライブにすると新しいパテーションで区切られてしまい、それ以外は使えなくなってしまう。Windowsを再インストールした後に、回復ドライブのパテーションを削除してもフォーマットしないとすべての容量が使えないので、結局元のデータを開くことができなくなってしまった。
データの復元を試みようと、安い復元ソフトを使ってみたけれど、フォーマットしてしまったデータまでは復元できず・・・。データ復元会社に依頼すると5万円以上かかるというのであきらめていたところ、「EaseUS Data Recovery Wizard」を提供して頂いたので試してみることにした。
完全復旧にはディープスキャン
「EaseUS Data Recovery Wizard」を起動して、外付けハードディスクを選択。すべてのデータの復旧を試みるにはディープスキャンが必要になる。上部おおよその実行時間1:44:55が表示された。かなり時間がかかるもので、この時間はあまりあてにならない。今回行った外付けハードディスクの容量は640GBで、ディープスキャンには5時間ほどかかった。復旧するデータが多いほど、表示時間より時間がかかると思っておいたほうが良い。
検出結果はディスク容量よりも多くなった
ディープスキャンの検索結果は、132041個(793.24GB)となり、ハードディスク容量の640GBよりも多い結果となった。どうやら重複してしまうファイルや、不明のファイル、動画データがコマ送りの画像データとして複数検出されたりしているようだった。すべてを一回で復元するには別のハードディスクが必要になるので、容量の多い動画データを先に復元し、要らないものを削除してから、残りを復元することにした。
動画データのみの復元方法
動画データのファイル名は、通し番号に書き変わってしまっているため中身が分からない。プレビュー表示もほとんどできないようだったので、全てリカバリーしてから確認することにした。動画データだけ復元するには、上部のメニューバーにあるビデオを選択してからすべてのチェックを入れると、右下に「選択したファイル:1172個、322.40GB」と表示される。良ければ右下の「リカバリー」をクリックして、ファイルの復元作業をが開始する。
ただし、復元データが多いとかなりの時間がかかる。自分の環境では、322.4GBの動画データの復元におそらく10時間ほどかかってしまった。中身の確認が難しいというのはあるけれど、明らかに必要ないデータというのが分かればチェックを外してしまった方がスムーズかもしれない。
復元先は元のハードディスク以外を選択すること
リカバリーをクリックすると保存先の選択画面になる。リカバリーをするファイルの保存先は元の場所と異なるドライブにしてくださいと表記されている。これは上書きしてしまうことになるので安全に復元したいのならということだろう。しかし今回復元する容量が多いので、元のドライブのそのまま復元を試みてしまった。後から検出データのスクリーンショットを確認してみたところ、15629個から132041個に減っている?やはり別のドライブに保存する方が良さそうだ。
リカバリーしたデータは「Recovered data +日付」というフォルダーに復元されるようになる。復元には時間がかかるので、画像やビデオなど小分けにして復元し、ファイル名をわかりやすく書き換えておくというのも良いかも。
動画データの復元率は高い
復元したフォルダーの中にある「その他の紛失ファイル(RAW)」にチェックした項目ごとに分かれて保存されていた。動画データの中には破損していたものもあったけれど、8割ほどの復元してくれたようだ。全く諦めていたのもが復元されたのはうれしい。自分の環境での動画データの復元率は8割ほど、動画ファイルの形式により違いはあるかもしれない。
またShockWave Flash fileのフォルダに489個、合計で238GBもある不明なファイルが存在した。開くことができないため何のファイルかわからず、必要もなさそうだったのですべて削除。これによりハードディスクに空きができたので、ビデオデータ以外の残りをすべて復元することにした。
ビデオデータ以外をリカバリーする
ビデオデータ以外をリカバリーするときには、上部のメニューがすべての種類になっているときに、ディープスキャン結果のボリュームにチェックを入れる。そして今度はビデオをクリックしてからボリュームのチェックを外すと、ビデをデータ以外をリカバリーできる。しっかり選択できているかは、右下に表示されている選択したファイルの個数と容量で確認できる。ちなみに470GBのリカバリーには12時間ほどかかった。
画像認識装置も備わっている
メニューバーを画像に合わせたときにだけ、左下にアイコンが表示される。クリックすると、人物、動物、建物、その他と自動で認識してある程度振り分けてくれる機能もある。認識精度の方は高くはないけれど、復元したい画像データを見つけやすくなるかも。ディープスキャンの途中でも一時停止すればこの機能は使える。時間がない時には、この機能で探してみるのも良い。
ディープスキャンの結果は保存可能
ディープスキャンの結果は保存して後から読み込むこともできる。スキャンや復元はどちらも時間のかかる作業なので、保存しておけるのはうれしい機能。保存するときは、ホームに戻ろうとすると「後でリカバリーできるよう、スキャン結果を保存しますか?」と出たので保存した。そのほか右上にあるセッションの保存からでもできそう。保存したデータを読み込むときは、右上にあるセッションを読み込むから対象のデータを選択して開く。
復元し損ねたデータ
今回、復元するときに元のドライブに書き込んでしまったため、復元率が悪くなってしまったようだ。ディープスキャン中のスクリーンショットを確認してみると、ファイル名や日付等がしっかり残っていたので違いを確認できた。それでも画像と動画データのほとんど復元できているので目的は達成している。
上書きしてしまったことで復元しづらくなったと予想されるのは画像と動画以外のデータ。Wordやエクセルなど文字化けをしていることが多く、音楽ファイルは短くなっているものや再生できないものがあった。またファイル名が、FILE1205などの通し番号で表示されてしまうので、開いてみないとわからない。画像データの場合はプレビュー表示できるけれど、その他データに関してはリカバリーしてから確認するほうが良い。
特に音楽などの音声データはファイル名が変わってしまっていたりすると編集するのが面倒になる。また1曲がいくつにものデータに細かく分割されてしまっていたりもしたので、復元の期待はしないほうが良さそう。ただし、上書き前なら平気だったのかもしれないけど・・・
プログラムデータの復旧は難しいかも
既に展開しているプログラムファイルの場合、画像やその他のファイルがそれぞれに分かれてしまうので復元するのは困難になる。圧縮してあるファイルのままなら復旧できる可能性はあるけれど、ファイル名が変わってしまったり、分断されてしまっているものもあったようだ。ディープスキャンの時にファイル名が残っているものなら、もしかしたら復旧できるかもしれない。
無料でも2GBまで復元可能
「EaseUS Data Recovery Wizard」は、無料版でも2GBのリカバリーを試すことができる。はじめは、0.5GB(500MB)だけ、SNSに投稿すると1.5GB増える仕組みになっている。それ以上のデータをリカバリーしたい場合には右上にある完全版にアップグレードをクリックして、ライセンスコードを入力すれば、すぐに使えるようになる。とりあえず試してみてプレビュー確認するなど、復元できそうなら完全版を導入するのが良いだろう。
まとめ
「EaseUS Data Recovery Wizard」は、フォーマットしてしまった外付けハードディスクでも復元できる優秀なソフトだ。特に画像や動画のデータは復元率は高く期待できる。データ復旧業者に頼むと高額になってしまうので、試してみる価値はあるだろう。Vectorでも取り扱っているので、会員なら購入はスムーズ。
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